子どもに教える「太陽圏と太陽系の違い」
太陽圏と太陽系について
私は宇宙講演会をスタートしてから数十年となります。
山梨県内では数百回、山梨県外で数十回、日本国外で3回の宇宙講演会を開催しました。
そんな中での質問で多いものの中に「太陽圏と太陽系の違い」がありましたので、今回は子どもたちにも分かるように話したいと思っています。
太陽圏
太陽圏とは、一言で表現すると「太陽風の届く範囲」です。
英語では「ヘリオスフィア(Heliosphere)」と言います。
太陽風とは、子どもさん向けには、太陽の表面から吹き出す大変に熱い電気のツブと言うと分かりやすいと思います。但し、私たちの体にとっては有害なものです。
その太陽風が届く宇宙空間までを太陽圏と呼んでいます。
具体的には、どのくらいかと言うと、太陽から数百億kmです。地球から土星まで14億kmで、有名な土星探査機カッシーニは土星まで行くのに、7年ほどかかっています。
惑星で一番遠い海王星までの距離は45億kmです、宇宙探査機ボイジャー2号が180年に一度と言われている太陽系の惑星がほぼ一直線になる「グランドツアー」の1980年代に海王星まで行って12年かかって到着しています。
太陽風の届く範囲である太陽圏は、数倍も遠いと言うことです。数値的には180億kmくらいまでと言われています。
太陽系
太陽系とは、分かりやすく表現すると「太陽の重力によって太陽の周りを回っている星がある範囲」です。
太陽圏の範囲より、さらにずっと広い場所です。
具体的には、太陽系で一番遠い所にある惑星・海王星までの約1000倍までの5兆kmくらいあるのではないかと言われています。
さらに太陽系の周りにある理論上の天体であるオールトの雲まで入れると10兆~15兆kmとなります。言い換えると1秒間に地球7回り半する、この世の中で一番早い光の速度で1年間・宇宙に向かって進んだ距離である1光年以上の範囲になるとも言われています。
性能の良い大型の天体望遠鏡が建設されると、そこの観測によって太陽系の遠くの星が見つかり、太陽系の範囲が広がっていくことになります。
子どもさん向けの太陽圏と太陽系のお話、どうだったでしょうか?
次回の投稿をお楽しみに!
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