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1月, 2022の投稿を表示しています

子どもに教える「太陽圏と太陽系の違い」

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  太陽圏と太陽系について 私は宇宙講演会をスタートしてから数十年となります。 山梨県内では数百回、山梨県外で数十回、日本国外で3回の宇宙講演会を開催しました。 海外エンジニアと著者(真ん中) そんな中での質問で多いものの中に「太陽圏と太陽系の違い」がありましたので、今回は子どもたちにも分かるように話したいと思っています。 太陽圏 太陽圏とは、一言で表現すると「太陽風の届く範囲」です。 英語では「ヘリオスフィア(Heliosphere)」と言います。 土星探査機カッシーニが撮影した土星 写真提供:NASA 太陽風とは、子どもさん向けには、太陽の表面から吹き出す大変に熱い電気のツブと言うと分かりやすいと思います。但し、私たちの体にとっては有害なものです。 その太陽風が届く宇宙空間までを太陽圏と呼んでいます。 具体的には、どのくらいかと言うと、太陽から数百億kmです。地球から土星まで14億kmで、有名な土星探査機カッシーニは土星まで行くのに、7年ほどかかっています。 土星探査機カッシーニ 写真提供:NASA 惑星で一番遠い海王星までの距離は45億kmです、宇宙探査機ボイジャー2号が180年に一度と言われている太陽系の惑星がほぼ一直線になる「グランドツアー」の1980年代に海王星まで行って12年かかって到着しています。 グランドツアーの説明資料 資料提供:NASA 太陽風の届く範囲である太陽圏は、数倍も遠いと言うことです。数値的には180億kmくらいまでと言われています。 太陽系 太陽系とは、分かりやすく表現すると「太陽の重力によって太陽の周りを回っている星がある範囲」です。 NAOJソフトミタカより 太陽圏の範囲より、さらにずっと広い場所です。 具体的には、太陽系で一番遠い所にある惑星・海王星までの約1000倍までの5兆kmくらいあるのではないかと言われています。 さらに太陽系の周りにある理論上の天体であるオールトの雲まで入れると10兆~15兆kmとなります。言い換えると1秒間に地球7回り半する、この世の中で一番早い光の速度で1年間・宇宙に向かって進んだ距離である1光年以上の範囲になるとも言われています。 著者が宇宙講演会で使用している資料 資料作成:著者 性能の良い大型の天体望遠鏡が建設されると、そこの観測によって太陽系の遠くの星が見つかり、太陽系の範囲が広がっていく

家族と楽しもう「冬の星空」

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  ご家族やお友達と冬の星々を楽しみましょう! コロナ過で街に出かける機会も少なくなっています。コロナ過や正月休みと言うこともありますので、折角の機会なので、お家で冬の星空を楽しみましょうと言う提案です。 私の住んでいる街の灯りと夜空の月と星 撮影:著者 お正月休みを利用して、小さな子どもさんがいるのでしたら、将来の夢なんかを聞きながら、是非オリオン座と冬の大三角くらいは、お父さんやお母さん、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんが教えてあげて欲しいです。 暖かい服装で外に出て星空を見るのが一番です。 寒がりのみなさんは、車の中から夜空を眺めるのも良いアイディアです。 ご都合で外に出るのが難しい皆さんは、冬の星空は豪華絢爛 ですから、家の中の電気を消すと十分に楽しめます。 ※必要でしたら次の動画を参考にしてください。 中高生のような大きな子どもさんの場合は、オリオン座と冬の大三角にプラス冬のダイアモンドくらいまで教えてあげられると良いと思います。 併せて、夜空で一番明るい星で冬の夜空の主役シリウスも教えてあげて下さい。 ※必要でしたら次の動画を参考にしてください。 もっと大きな子どもさんや奥さんやご主人とでしたら、あるいはお友達となら、なぜ人類は宇宙を目指すのかなんて話題も面白いと思います。 ※事前に、こちらの動画を見て頂くと話題が広がると思います。 もし、お時間があれば限りなく広がる宇宙の広さになんて語るのも楽しいかもしれませんね(^^♪! 今現在、人類は本当の宇宙の広さを知ることはできません。でも、私たちが知ることのできる宇宙の広さ=観測可能な宇宙だけでも驚くほど広いのです。できれば、次の動画で味わって頂きたいです。 今年も一年間お忙しいとは思いますが、余裕のあるときには身近で楽しめる夕焼けや星空そして月見など、さらに休日などの時にはお花見や紅葉など自然に積極的に接するのも良いかと思います。 南米チリ赴任時に仕事場所から撮った夕焼け 撮影:著者 宇宙や周りの自然を身近に感じ、心豊かな生活を楽しんでください!

私の今年の抱負!

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  今年は、こんな事してみたい! 私の今年の抱負としましては、 宇宙活動を5本柱で進めたいと思っています。 実現した宇宙から戻ってくる再利用ロケット 写真提供:Sace X 内容的には、今宇宙開発が大変に大きなと言うか歴史的な変革時期となっています。でも多くの皆さんは、そのことを理解されていません。 ですので、その辺を子どもさんにも分かるような、お話で発信し続けていきたいと思います。 ブルーオリジン社の宇宙旅行 写真提供:Blue origin 歴史的な出来事って、その世代を共に生きている人たちには意外と分からない事なんですね。 後になって、大変な出来事だったのですねと気付くことが多いものです。 月面基地や火星基地で使用する宇宙服の開発中 写真提供:NASA それでは、今年の私の抱負としての5本柱を順を追ってお話します。 ①宇宙講演会 今まで私の宇宙講演会の実績は、山梨県内で数百回開催、山梨県外では数十回開催、国外で3回開催しています。 地域の高校での宇宙講演会  講演者:著者 でも、現在コロナ過で中々難しい。でも、直接お話することで伝わることも多いので、頑張ってみたいです。 学校関係がコロナ過で厳しいので、一般の皆さんを対象としての宇宙講演会を中心に進めたいと思います。 ②SNS発信 多くのSNSを進めていますが、今私が魅力を感じてるSNSはブログと動画とツイッターやホームページ投稿です。もちろん、フェイスブックやインスタグラムなどでも宇宙の魅力を発信していきたいと思っています。 あまり文書を書くのは得意ではありませんでしたが、文書にすると言葉で話すのとは違い、考えが整理されて逆に講演会・テレビ・ラジオに活かされることが多いことに気付き、最近楽しくなってきています。 ③テレビ・ラジオ テレビは10年間、番組制作出演を続けています。 10年前にテレビ番組に出演 写真:著者 ラジオについては初出演以来15年くらい経ちました。 ラジオ番組出演当初の頃 著者:左端 昨年は30番組制作しましたが、今年も可能なら近い数字までトライしてみたいと思っていますが・・・。 番組内容は、先ほども言いましたが、今宇宙開発や天文学などにおいて大変革時期です。ですので、それらの内容を扱いたいと思います。 さらに、今まで数百回の番組制作に取り組んできましたが、宇宙の歴史的なことを扱ったことがあ

子どもに教える「冬の星空の主役シリウス」

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  冬の星空の主役シリウス、しかも全天で最も明るい恒星 今、豪華絢爛な冬の星座が夜空に輝いている。オリオン座の左下に、凄くきれいで青白く輝くシリウスが見えました。思わず、カメラをシリウスに向け撮影した。 オリオン座と左下の明るい星シリウス 撮影:著者 撮って欲しいと言わんばかりに美しく輝いていた。 シリウスを撮影していた時に気が付いたのは、「シリウスの下に何か青い小さな星が見える。」と思った。何度も確認したが、確かに青白い小さな星だった。 シリウスの下に青白い小さな星を発見した 作成:著者 もしかしたら、シリウスBかもしれないと思いシャッターを切り続けた。 シリウスの下の青白い小さな星 撮影:著者 難しいかもしれないが動画での撮影にもチャレンジしてみた。 動画の撮影にも成功したので編集して動画作成した。 シリウスの下の小さな星、150年ほど前だったら世界の大ニュースとなった? もし私の高祖父母の時代なら世紀の大発見となっただろう。 なぜかと言うと、19世紀にシリウスは蛇行していることが発見された。その原因は(その当時の望遠鏡では)見えない星があり影響し合っての事と言う仮説が出たが、当時としては見えない星など考えられない話であった。 夜空で見える星がシリウスAで影響している伴星がシリウスBと言う仮説。 その後、アメリカの天文台でシリウスBが発見された。 西はりま天文台の資料によると・・・・・・・・ シリウスには、その周りを公転する伴星が存在します。2つ以上の恒星がお互いのまわりを公転している天体を連星と呼びます。 明るい方が主星のシリウスAで、伴星の方はシリウスBと呼びます。普段夜空で輝いて見えるシリウスは、主星のシリウスAになります。 シリウスBの明るさはシリウスAの10000分の1と大変暗いため、シリウスBは望遠鏡を使わないと見ることはできません。さらに工夫が必要です。 まず、地球の空気の運動が静かなとき(星のまたたきが小さいとき)に観望します。空気の運動が激しいと、主星のシリウスAの光がぼやけて広がり、シリウスBを覆い隠してしまいます。さらに、シリウスBがシリウスAから離れたタイミングで観望することも重要です。 シリウスBは、シリウスAのまわりをどのように公転するか過去の観測から明らかになっています。下の図を見ると、現在シリウスBはシリウスAから離れており、20