夢見る世界へ ~視野~
「視野を広げよう。」 大人になると、この言葉をよく耳にします。 でも、「視野を広げる」とは具体的にどういうことなのでしょうか。 私は長年、宇宙開発に携わり、全国で子どもたちに宇宙の話をしてきました。その中で気付いたことがあります。 視野とは、「今の自分が見えている世界の広さ」のことだということです。 例えば、小さな子どもの頃は、近所の友達が世界のすべてです。 小学生になると学校や地域へと広がり、中学生になると町全体が世界になります。 高校生になれば県外へ、大学生や社会人になれば日本全国へ、そして海外へと世界は広がっていきます。 つまり、人は成長するたびに、自分の世界が少しずつ広がっていくのです。 そして、世界が広がると、不思議なことが起こります。 昔は許せなかったことが笑い話になったり、苦手だった人にも優しく接することができたりします。 自分だけではなく、「地域をもっと良くしたい」と考えるようになります。 さらに視野が広がると、「日本を良くしたい」「地球を大切にしたい」と思えるようになります。 視野が広がるということは、心が大きくなるということなのです。 私は海外で仕事をし、南米の砂漠で満天の星空を見上げた夜、自分の世界が大きく広がったことを今でも覚えています。 宇宙開発の仕事では、人工衛星を通して地球を見つめる機会がたくさんありました。 すると、「国」という境界線よりも、美しい青い地球そのものを大切にしたいという気持ちが自然と芽生えてきました。 宇宙は、私に「宇宙スケールの視野」を教えてくれたのです。 だから私は、子どもたちや若い皆さんに伝えたいのです。 今見えている世界が、あなたの世界のすべてではありません。 好きな音楽や映画そして本を、たくさん聴いて・見て・読んでください。 好きな音楽を聴いてください。 映画を見てください。 本を読んでください。 宇宙でも、歴史でも、音楽でも、スポーツでも、料理でも。 興味を持ったことを、ぜひ学んでください。 旅に出て日本を世界を、たくさん知ってください。 いろいろな人と話してください。 失敗を恐れず、新しいことに挑戦してください。 視野を広げるためには、都会へ出ることも大切です。 そこでは多くの困難や壁にぶつかるかもしれません。 でも、その一つひとつを乗り越えることで、たとえ乗り越えられなくても、人は大きく成長して...