近年発生する可能性の少ない太陽のスーパーフレア!でもゼロではない
今後100年以内に発生する可能性はゼロではない、太陽のスーパーフレア!
過去の巨大太陽フレアの百倍以上のエネルギーを発生させるスーパーフレアは若い星から発生し、太陽のような50億年もたっている星では発生しないと言われてきました。
巨大な太陽フレア 写真提供:NASA
でも、国立天文台や国内外の研究で望遠鏡や衛星データから、太陽のような星でも数千年に一度ほどスーパーフレアが発生、今後100年以内に発生する可能性はゼロではないことが検証されました。
それでは、細かい話に入る前に太陽フレアって何でしょう?
<太陽フレアとは?>
太陽表面の部分的な爆発です。太陽活動が活発の時には、このフレアが多く発生します。
太陽の活動は、11年周期で活発になります。
太陽フレア 写真提供:NASA
次の活発になる時期は2025年と言われています。ピークが2025年です。
太陽表面の部分的な爆発であるフレアが起こると、地球にも太陽風が飛んできます。
太陽風と言うのは、簡単に言うと電気をおびたツブなんです。
強い太陽フレアが発生すると、たくさんの太陽風が発生します。
たくさんの太陽風のことを太陽嵐といいます。この太陽嵐が地球に近づき、地球の磁気環境を乱す事が磁気嵐。
<次のピークは2025年で、100年に一度の活発な活動と予想される>
米NASAや世界の科学者は、今度の2025年は
100年に一度と言う凄い太陽活動になりそうだと予想しています。
何故かと言うと、色々な角度からのデータに、もうそれらしい兆候が出始めているからです。その一つに、昨年12月や今年1月に凄いフレアが発生していること。
太陽フレア 写真提供:NASA
<私も太陽フレアを経験した>
私ごとですが、
今から数十年ほど前のことです。
H-ⅡAロケット 写真提供:JAXA
私たちの仕事は人工衛星を大型ロケットで打ち上げる事でした。
私の任務は人工衛星が問題なく打ち上げられるか、もし問題があれば対応し処置して打ち上げられる状態にすることでした。
色々な問題点も処理して上手く進んでいました。
そんな時に、強い太陽フレアが発生したんです。
太陽フレアが発生すると、
太陽風は2~3日後に地球に到着します。
私たちの人工衛星は太陽風を一部受けましたが、故障することなく軌道に投入することが出来ました。
<探査機や人工衛星などの太陽フレアによる事故例>
私の担当していた人工衛星は太陽風を受けましたが、故障はしませんでした。
でも、その時に小惑星探査機「はやぶさ」初号機が、小惑星イトカワに向っている時で、太陽風の電気のツブを直撃され、太陽電池パネルが一部故障し、太陽電池の出力が下がり、飛行スケジュールが遅れてしまったと言う事故もありました。
小惑星探査機はやぶさ 写真提供:JAXA/池下章裕
それ以外にも、
人工衛星の故障などの事故は多かったです。
例えば、昨年2月に米イーロンマスクさんの会社であるスペースⅩ社の通信衛星スターリンク用の衛星49基を同時に打上げましたが、40基が大気圏に落下してしまいました。
スターリンク 写真提供:SpaceX
太陽風によって地球大気が加熱され大気が膨張したので、打ち上げた衛星が軌道を外れてしまったのです。
それ以外に、
地上の変電所が破壊され、
カナダで大規模な停電がありました。
<太陽風は私たち人類にも有害です>
太陽風は宇宙船や人工衛星を故障させるばかりでなく、私たち人間にとっても有害なんです。
今・国際宇宙ステーションに若田光一宇宙飛行士が滞在していますが、強い太陽フレアが発生して太陽風が近づいて来たとすると、
NASAで太陽風の近づく状況を確認していますので、近づくとNASAから国際宇宙ステーションの中の壁の厚い場所に避難するよう指示があります。
国際宇宙ステーション 写真提供:NASA
地球上の私たちは、
地球の周りを囲っている空気の層である大気圏がバリアとなって中に入れないので、ほぼ安全です。
太陽風は北極や南極から少し入って大気に衝突してオーロラとなります。
青い地球の大気 写真提供:NASA
太陽嵐の時に北海道でオーロラが見えたり、昔の鎌倉時代の文献には京都で赤いオーロラが見えたと言う記録がのっています。
<2025年に100年に一度と言う太陽フレアが発生したら>
もし次の太陽活動のピークである2025年に、過去最大の100年に一度と言う太陽フレアが発生した場合、どうなるでしょう。
最悪2週間、断続的にスマホやテレビ、更に船や飛行機が利用できなくなると言われています。またカーナビが誤動作、さらに停電や人工衛星の故障なども予想。
総務省は対策として、インフラ整備や宇宙天気予報士の創設を提言しています!
国際宇宙ステーションから撮影した地球 写真提供:NASA
被害額は日本の国家予算約100兆円を越える100兆円から200兆円と米国家機関が試算しています。
<過去最大級の太陽フレアは、いつ頃に発生>
最近では、2012年に地球のそばをかすめた強大太陽嵐は、地球を直撃していれば「現代文明を18世紀に後退させる」ほどの威力があるものだったと、NASAが発表しました。
日本の18世紀って江戸時代です。
太陽フレア 写真提供:NASA
もし、この巨大な太陽フレア発生が一週間ズレていたら、地球を直撃していました。
<今後、もし太陽のスーパーフレアが発生したら>
世界中、甚大な被害を受けるでしょう。
でも、ここ数十年の人類の科学の進化って凄いんです。ですから、しっかりと準備や研究を重ね努力すれば、被害を少なくできることは確かです。
太陽フレア 写真提供:NASA
但し、人類全体で協力し合って、技術とお金を出し合い、今すぐに進めることが、とても大事です。早急に世界中で知恵を出し合い、対策を考えなければなりません。
2年後には巨大な太陽フレアが発生する可能性が高いのですから、地球の中で戦争などしている場合ではありません。
隣の国に戦争をしかけたり、隣の国に戦争をしかけようとしている、国民の意見を聞こうとしない独裁国家が日本の周りにもあります。
地球 写真提供:NASA
世界の成熟し安定した民主主義国家が協力しあい、地球全体をまとめられるように努力することが大切だと思います。そうなることを、私は願っています。
頑張れ地球人(^^♪!
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