日本のスパコンは世界ナンバーワンを目指している!

 逆境に立ち向かい不屈の精神で成し遂げた世界一の日本の技術力

 19801990年代に世界中の科学者やエンジニアが、それぞれの国のスーパーコンピュータ技術を世界でナンバーワンにしようと切磋琢磨し、おのれの威信をかけて技術開発に明け暮れていた。

日本でも、これからはスーパーコンピュータの時代とばかり、他国に比べると少ない開発費の中を、しのぎを削って開発を推し進めていた。

なぜかと言うと、これからの全ての産業や研究において正確なシミュレーションが可能となると予測される最先端のスーパーコンピュータ技術を自国で持つことができるかは、新しい技術や研究を安く早く進める事が可能となり、その国にとっての将来の明暗を決定するとも言われているからだ。

だから目指すはナンバー1、ナンバー2ではダメなんです。一度遅れると、その技術力を得る事は不可能に近い、そんなに甘い世界では無いのだ。世界のトップから外れると今後勝負できなくなる、と言うか「ぐうの音もでない!」状態となってしまいます。

線状降水帯予測スーパーコンピュータ 写真提供:気象庁

特に日本のような資源がなく、物をつくる技術で繁栄してきた国にとっては致命的なんです。ですので更に、そう言った技術を持ち合わせているのだから、しかも、勝負できるステージに立っているのだから、わざわざナンバー2などではなく、目先の事ではなく国の将来のためにも、未来ある子ども達のためにも、世界のナンバー1を目指し高い技術力を繋いで行くべきなんです。

こんな時、日本にも先見の明のあるエンジニア達が多くいて、日本のスーパーコンピュータ技術を推し進めた。なぜかと言うと、多くのエンジニア達が繋いできた日本の世界一のコンピュータ技術を止める訳にはいかない、ましてやスーパーコンピュータを使っての驚くようなAI時代が明日にでも来ると分かっていたから。

スーパーコンピュータ「富岳」でのコロナ感染、マスクの効果 写真提供:理研

さらに線状降水帯予測スーパーコンピュータなど災害の多い日本を被害最小にするためにも、そして突然発生する流行病対策、勿論・新しい自動車開発や宇宙船・ロケット開発から宇宙の謎・ブラックホールや生命の起源など日常生活を豊かに便利にすることから夢のある人類の宇宙進出を支える技術まで全てスーパーコンピュータを使っての世界がくると信じているエンジニアや科学者そして、それらを応援するたくさんの国民がいたからです。1990NECSX-3/44R が世界一、1993年に現在のTOP500が開始し秋に富士通の数値風洞が世界一、1996年に日立のSR2201CP-PACS が世界一、2002年~04年迄NECの地球シミュレータが世界一!

地球シュミレータ 写真提供:NEC

この時代、日本のスーパーコンピュータは世界トップに躍進、その技術力は米国の脅威となり高い関税で日本を市場から排除し、そして米国は巨額な支援で新プロジェクトをスタートし米国が世界ナンバー1を目指した。

その影響で日本は不況となり巨額の開発費を出せず日本の各社とも事業縮小しスーパーコンピュータから撤退せざるを得なかった。

米国の日本たたきで弱っていた日本の各社のエンジニア集団に、更に日本政府の事業仕分け「もう世界ナンバー1は目指すな!」と言うダブルパンチで打ちのめされ、どん底状態となる!

そして多くの事業は政府の事業仕分けなどにより、衰退の一途をたどることになった。

そんな超逆境の中を不屈の精神で戦い続けたエンジニア達が日本のために新しいスーパーコンピュータを完成させた、なので現在の世界のトップ技術を維持しているのです。

戦後、敗戦国日本にとっては金も設備もなく、人材も少ない中を「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」と言われている糸川英夫さんら日本のエンジニア集団が、ソ連・米国・仏に次いで世界で4番目に人工衛星打ち上げに成功、先を読む力のある科学者やエンジニア達が、これから宇宙時代が来ることを予測し宇宙開発技術を研究し推し進めた。

これからはAI時代 写真提供:ESA

宇宙時代を予測し宇宙開発を進めたエンジニア達は戦後の高度成長時代の立役者でもあります。これと同じように、今回のスーパーコンピュータによるAI時代などを予測し、日本はスーパーコンピュータ技術から離れてはならないと、米国の日本たたきや日本政府の事業仕分けと戦い、日本の未来のためにスーパーコンピュータ技術を世界のナンバー1にしようと目指し続けたエンジニア魂、彼らは日本を救ったと言っても過言では無い。

是非これからの未来ある子ども達のためにも、日本のスーパーコンピュータ技術の戦いを映画にして残して欲しいと願っています。

スーパーコンピュータ「京」 写真提供:fujitsu

スーパーコンピュータ「京」が世界ナンバーワンを目指し2006年に技術者たちの頭脳戦プロジェクトスタート!その結果2011年に計算速度1秒間に1京回、米国と中国をぶっちぎりで上回る世界トップ速度を実現した。

私が強く感じたのは日本政府や会社の事業仕分けと言う厳しい環境の中で大きな目標の為に技術やエンジニアを育て上げる風土を持ち続けたエンジニア魂!それから約10年後の2020年に誕生したスーパーコンピュータ「京」の後継機「富岳」が、引き継がれた若者達の技術で計算速度世界一に輝く。

スーパーコンピュータ「富岳」は国際スーパーコンピュータ会議で2020611月そして2021611月の4期連続の4部門で1位!

20225月に米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」に抜かれ日本のスーパーコンピュータ「富岳」は世界2位となる。

米国のスーパーコンピュータ「フロンティア」 写真提供:HPE


20246月の最新世界のスパコン・ランキングTOP500を発表、今回も13位を米国独占!ナンバー1は米ORNLの「フロンティア」5期連続のトップ。

2位も前回同様、米アルゴンヌ国立研究所の「オーロラ」。

3位も米マイクロソフトの「イーグル」。

4位は日本の「富岳」、但しGraph500HPCG2部門で「富岳」が9期連続1位、これは素晴しい!

2024年世界のスーパーコンピュータの4位以降の順位は、5位は欧州フィンランド、6位はスイス、7位は欧州イタリア、8位は欧州スペイン、9位と10位は米国!100位以内の日本製スパコンは、31位の東工大、39位の産総研、40位の東大、他616477789599位に入った!

スーパーコンピュータ「つばめ」 写真提供:東工大

今後も、スーパーコンピュータ技術は各国の技術力を示す指標と言われています。宇宙関係でも大きな成果を出しているのは、皆さんご存知と思います。さらに、もう近づいていると言うか実際スタートしている、生活が一変し驚くようなスーパーコンピュータを使ってのAI時代・車の自動運転時代・空飛ぶ車時代・ロボット時代・スパコン創薬時代・地球環境対策・人類が宇宙に進出する宇宙大航海時代など、どれ一つとってもスーパーコンピュータ技術なくして国際プロジェクトにも入れない、また国の産業を進め国民の生活を豊かにすることもできない。

スーパーコンピュータ技術・世界ナンバー1を目指して、関係する科学者やエンジニアの皆さん日本のため人類のために、世界各国の科学者やエンジニアと競争し頑張って下さい!

日本や世界のために頑張っている皆さんを、心から応援しましょう!

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