南半球から見る星座や月の模様・欠け方は、なぜ逆?

 チリは何もかも逆さま

日本のある北半球、チリのある南半球、文字通り何もかも反対で驚くことばかりでした。

地理的にも、日本からすると地球の裏側。

サンティアゴ市にて 写真:著者


季節も、日本が冬だとチリは真夏、なかなか慣れない真夏のクリスマスと真夏の正月。汗びっしょりの海水パンツ姿で海やプールで「明けましておめでとうございます」の新年の挨拶もなかなか慣れない。

特に年越しの時は冬でないとムードがない、ギンギラギンの太陽の下では1年を振り返る気分には慣れないですね。

時間もチリが昼だと、日本は真夜中!急ぎの用事があったので日本に電話したら、日本は真夜中、ふと気づいて直ぐに切りました(笑)!

それから、家で日差しが良いのは日本では南向きの部屋、ところがチリでは北向きの部屋が日当たり良い。
日本では、太陽も月も南側み見える。とりわけ山梨では南の方向である富士山側に太陽も月も見えるのが当たり前(*^-^*)!チリでは反対の北側に太陽も月も見える。

アルマの月87
アタカマ砂漠での月とアルマ望遠鏡 写真:著者撮影


月の模様も日本とチリは逆、チリではウサギの餅つきには絶対に見えません(*^-^*)!

月食も日本の欠け方とは違い、チリでは日本の逆方向が欠けます。

次の写真は、2012年6月4日の部分月食の時、同じ時間、つまりほぼ同時に日本とチリで撮影したものです。
右の写真は私がアタカマ砂漠で撮影したものです。

反対の月食
著者の宇宙講演会資料より


 南半球から見るオリオン座は逆さま

チリで一番驚いたと言うか笑ってしまったのは、日本とは逆さのオリオン座を見たことです。
見慣れたオリオン座とは違って逆さまで、滑稽にさえ思えました。

では、どうして北半球と南半球では星座が逆さまに見えるかですが、
地球は丸いですが、より分かりやすくするために地球をラグビーのボールのように細長くしました。

まず北半球では次のように見えます。左上に赤い一等星ベテルギウス、真ん中にベルトのような三ツ星、その下に縦に小三ツ星、一番下の右側には青白く輝く一等星リゲルです。

北半球から見えるオリオン座 資料:著者作成

続いては南半球の場合、このようになるので逆さオリオンとなります。
一等星リゲルが左上、小三ツ星はベルト状の三ツ星の上にあります、それから一等星ベテルギウスは右下で、北半球とは逆ですね。

南半球の場合、オリオン座にとって南の高い位置から見るので逆さまに見えるのです。

南半球から見えるオリオン座 資料:著者作成


南半球から見る月の模様は逆さま

月の模様についても、同じように比べてみましょう。

最初は北半球から見える月の模様です。ウサギの餅つきが見えます。

北半球から見える月の模様

続いて南半球から見える月の模様です。ウサギには見えませんね、逆さまのウサギです。

南半球から見える月の模様

南半球から見る月の欠け方は逆さま

月の欠け方についても、同じように比べてみましょう。

最初は北半球から見える月の欠け方です。例えば右側半分の上弦の月です。

北半球から見える月の欠け方


南半球から見える月の欠け方は、反対の左側半分の北半球で言う下弦の月のように見えます。

南半球から見える月の欠け方


星空も日本では、北極星を中心に時計の針の回る方向とは逆に回りますが、南半球のチリでは天の南極を中心に時計の針と同じ方向に回ります。

南半球では北半球では見られない、天文学的にも重要なたくさんの天体を見ることが出来ます。国際プロジェクトであるアルマ電波望遠鏡が南半球に建設された理由の一つがそこにあります。

アタカマ砂漠の高地 写真:著者


約2年ほどの南半球での生活、南半球の逆さまの天体観測を十分に堪能することができました。

「南半球から見る星座や月の模様・欠け方は、なぜ逆?」は、どうでしたか?
動画でも見たいと言う方は、こちらから見てください⇨南半球から見る天体は、なぜ逆?

それでは、次回の投稿もご期待下さい!

コメント

このブログの人気の投稿

子どもに教える「太陽圏と太陽系の違い」

年表の実績からみるイーロン・マスクの凄さ!

秋は月見の季節です!