太陽に隠れていた地球衝突の可能性のある「惑星キラー」を発見!

 太陽の光で見えなかった「惑星キラー」小惑星を発見!

2022年1月13日に「惑星キラー」2022 AP7が南米チリのセロ・トロロ・汎米天文台(Cerro Tololo Inter-American Observatory、CTIO, IAU code 807)でカーネギー科学研究所の地球・惑星科学研究室の天文学者スコット・S・シェパード氏によって発見された。

セロ・トロロ・汎米天文台 写真提供:Wikipedia


2022 AP7はCTIOのダークエネルギーカメラを使って発見、直径は約1.5㎞で、過去8年間に発見された危険な小惑星では最大の大きさ。

2022 AP7は、いつの日か地球に衝突する可能性のある「惑星キラー」小惑星です。もし地球に衝突するような事があれば数大陸に影響を与えると言われています。

では何故そんなに大きな小惑星が今まで発見出来なかったかと言うと、地球より内側を回っていたからです。太陽側のために強烈な太陽の光が邪魔になって観測できないのです。ジェームズウェブ宇宙望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡や地上からの望遠鏡でも太陽の光が強すぎて耐えられないのです。

小惑星の形と大きさ 写真提供:NASA, ESA, STScI


2022 AP7よりずっと小さいですが、2013年にロシア・チェリャビンスク市の上空で爆発した20ⅿほどの小惑星も太陽の方向から来たので直前まで分からなかったのです。

太陽の光で見えてない地球の内側の軌道を回っている、キロメートルクラスの「惑星キラー」小惑星は、まだあると予想されます。


小惑星帯 資料提供:NASA

地球の内側と外側の軌道を回っている小惑星で発見されたものは約80万個、未発見のものは数十万個と言われています。

この中から、今すぐに地球に衝突するような小惑星はありませんが、将来地球に向かって来るものは必ずあります。また太陽の光に隠れている小惑星もあります。


          NASAのDARTミッション 写真提供:NASA


ですので、世界の科学者やエンジニアの皆さんは小惑星からの地球への災害を防ごうと努力に明け暮れているのです。

米NASAの探査機DARTが2022年9月27日に地球から1100万km離れた直径160mの小惑星ディモーフォスに見事に命中させ軌道変更ミッションを成功させました。

これが世界初の地球防衛ミッションだったのです。

※詳細はこちらから⇨ 探査機DARTミッション

その他、世界中の望遠鏡で危険な小惑星を探そうと毎日観測を続けています。


NASAのDARTミッション 写真提供:NASA


このように世界の科学者やエンジニアの皆さんが地球のために、少ない厳しい予算の中で頑張っているのですから、時には良い成果が出ないこともあります。

そんな時に税金の無駄使いとか、世界のトップの技術など目指さないで良いなんて事は言わないで下さい。

地球に住んでいる世界中の皆さんのために励んでくれているのですから、是非とも温かい目で見守り応援しようではありませんか。


準備中のDARTチームの皆さん 写真提供:NASA/Johns Hopkins APL/Ed Whitman


次回の投稿もお楽しみに!

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