日本も参加「 月面都市づくり」

人類の宇宙進出!

月面基地建設 写真提供:NASA

人類の宇宙進出は、1961年の「地球は青かった!」のユーリー・ガガーリン飛行士(ソ連)です。

スペシャルの打ち上げ 写真提供:NASA

しかし、本格的な人類の宇宙での活動と言うと1981年から30年間のスペースシャトル、2000年から宇宙滞在がスタートし2030年までの30年間運用予定の国際宇宙ステーションなどの約50年間です。

船外活動中の野口聡一宇宙飛行士 写真提供:NASA

この半世紀の地球の周りを回る有人の宇宙活動で多くの実験や研究経験を得ました。
ですから、これからは満を持して月を目指す事になります。

アメリカが中心となり日欧加豪などが加わる月を目指すプロジェクト「アルテミス計画」は今年スタートしました。
今年、行われたアルテミスⅠと言う無人の宇宙船で月に行くミッション。

アルテミスⅡは、2024年で4人の宇宙飛行士が、月を回って帰ってくる有人の月周回ミッションです。

アルテミスⅢは、2025年で、男女の宇宙飛行士が月面に降りるミッションです。     

人類の宇宙進出が急加速しようとしている理由

地球近郊宇宙や月や火星などへの、人類の宇宙進出が、急加速しようとしています。その理由は何でしょう!

  • 探査機の調査で月の極に氷があることが分かったこと
  • 月に地球上には少ないヘリウム3等の貴重資源があると予想されること
  • 地球近郊宇宙での研究で人類の宇宙長期滞在が可能となったこと
  • 月が将来火星等の深宇宙に進出する為の訓練場所となること
  • 再利用ロケット、大型ロケット、全自動宇宙船など科学技術の進歩したこと
  • 2021年、宇宙旅行会社が宇宙旅行をスタートし成功したこと
  • 他の惑星や衛星と比べて月は地球に近く便利だと気づいたこと
  • 民間の会社が宇宙産業に加わったこと

超大型SLSロケット 写真提供:NASA


特に民間の会社が宇宙産業に加わったことは大きいと思います。米のイーロンマスク氏が立ち上げたスペースⅩ社と通販アマゾン創業者のジェフ・ペゾス氏のブルーオリジン社など、更に世界各国で進めた宇宙ベンチャー企業の推進も大きい。
日本でも数年前に資金のない学生や若者が立ち上げた宇宙ベンチャー企業を国が支援するシステムが出来上がったこと、今では50社ほど誕生している。
もし私たちの時代に、こんな制度があったら私も直ぐに起業していたでしょう。ですから、今の若者が羨ましいです。

更には、人類の主流である国民の声を反映してより良い政治を進めようとする民主主義国家とは真逆である国民の声を抑え込み意見を言わせない独裁的な国家である中国・ロシア・北朝鮮・イランなどが力を合わせて宇宙進出を試みている事も大きな理由の一つだと思います。

地球近郊宇宙に世界の多くの会社が進出

上記のような条件が合わさって地球近郊宇宙に世界の多くの会社が進出しようとチャンスを伺っています。
国際宇宙ステーションにドッキングしようとしているドラゴン宇宙船 写真提供:NASA

地球の周りの地球近郊宇宙は民間の会社が近未来型の宇宙ステーションを、早ければ2025年に完成。遅くても2028年までに完成し約2年間以上は国際宇宙ステーションと併行して運用します。

米アマゾン創業者・ジェフ・ベゾスさんのブルーオリジン社などが建設予定で、この近未来型宇宙ステーションには日本の三菱重工が共同開発します。
日本の三菱重工は国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」を建設実績あり。この実験棟「きぼう」は世界の宇宙飛行士からも室内が静かで綺麗で更に室内外の実験エリアが広く科学実験などに集中できると人気です。

国際宇宙ステーション 写真提供:NASA


日本の宇宙ベンチャー「デジタルブラスト社」が日本初の宇宙ステーション建設を進めようとしています。
①実験棟 ②居住棟 ③動画配信などのエンターテイメント棟。2030年までに最初のモジュールを打上げ予定。
これは楽しみですね!

日本初の宇宙ステーションイメージ 写真提供:Digital Blast


人類が直接宇宙に出たり・深宇宙に探査機を飛ばしたりする宇宙開発、また宇宙の謎を解明したり第二の地球を探そうとする天文学など、どの宇宙分野も革命でも起きたかの様に急速に進みだしました。

私は、この凄い時代を肌で感じ宇宙分野の進化に元エンジニアとして驚き感動しています。
ですから、私は宇宙講演会やテレビやラジオ、それからブログやユーチューブなどのSNSで「宇宙新時代」と言って、皆さんに興味を持って欲しいと思ってPRしていました。
宇宙講演会の様子 講師:著者

世界でも、この革命のような凄い宇宙進化を「ニュースペース」とか「ニュースペース経済」と言っています。

日本もオールジャパンで月面に進出

月面には、日本もオールジャパンで進出しようと準備を進めています。

今、発表されている情報ですと、日本は2035年ごろまでに民間の会社とJAXAのオールジャパンで月面に燃料工場を建設します。

これにより月面での広範囲の探査が可能となります。

それ以外では自動車メーカーの日産自動車やトヨタ自動車も月面探査車を開発しようと進めている。
日産自動車が開発中の月面探査車 写真提供:日産自動車


本田技研工業は循環型再生エネルギーシステムを開発中です。
世界のトップ技術を持つホンダが太陽光と月の水を使い
①呼吸のための酸素
②ロケットなどの燃料
③基地などで使う電気をつくる
これらを繰り返し使うシステムを開発中です。

また建設会社も月面進出を目指している。
鹿島建設は地球近郊や月そして火星などの宇宙でも地球にいる時のように生活できるように人工重力の施設、つまりスペース・コロニーを京都大学と共同研究を進めている。

宇宙の重力施設 写真提供:鹿島建設


宇宙と言っても、それぞれの場所と言うか天体によっても重力が違うので、例えば地球近郊宇宙の軌道は0G、月は1/6G、火星は1/3Gなので重力施設の形も異なる。

続いて清水建設です。
建設業としては一早く宇宙開発室を立ち上げ、月面基地構想を発表。今回紹介するのは写真のような宇宙ホテル構想です。
宇宙ホテル構想 写真提供:清水建設


構想は太陽電池パネルなどのエネルギー供給部、客室、大きなパブリックエリアにはロビーやレストランそしてスポーツ施設もある。
さらに着陸機が離着するプラットフォーム。また地球上と同じように生活できる人工重力施設です。

大成建設は、月に地下都市を建設しようと言う構想で研究を進めています。

月面地下都市構想 写真提供:大成建設


月面の地下には日本の月探査機「かぐや」が発見した溶岩で出来た大規模な空洞があります。その溶岩チューブ内を使って、月面で資源探査を行う宇宙飛行士や月への旅行者に、公園のように開放的で豊かな居住空間をつくろうと言うものです。

続いて(株)竹中工務店です。

宇宙農場システム構想 写真提供:竹中工務店


人類の活動領域が拡大し、宇宙開発の国際協力が進み、近い将来に人が月や火星に仕事や旅行などに行く事でしょう。
このような長期滞在では快適な居住空間が大切です。

宇宙で快適に暮らす「食と住」を研究しており、宇宙農場システムを研究している。

大林組は宇宙エレベーターの建設を研究しており注目されている。
実現すると電気を使い電車のように宇宙に行ける時代となります。

宇宙エレベーター 写真提供:NASA


今まで宇宙エレベーターは夢物語でしたが、
今から30年前の1991年に日本人が発見した「カーボンナノチューブ」が誕生した事で
実現可能となった。

2019年に国際宇宙ステーションに運び、
宇宙でカーボンナノチューブの引張り試験と言うか、耐久試験を実施しました。

又、宇宙空間に1年とか2年間セットして置いて損傷確認。
もし2025年に地上基地を建設スタートできれば2050年に運用スタートとなります。
25年間のリニア新幹線並の大工事です。
宇宙エレベーターによって、宇宙旅行の価格は一気に下がることが予想される。

宇宙ベンチャーも沢山宇宙進出を計画しています。1~2例紹介します。
アイスペースと言う東京の宇宙ベンチャーが今年12月に月面着陸機を打ち上げました。
これは来年の4月末に月面着陸する予定です。
今年打上げて、月面着陸が何故来年の春かと言うと、アイスペースと言う会社は、月への荷物輸送サービス、地上で言う運送業を計画していますので、輸送コースなどの調査もあって月面着陸まで数か月もかかるのです。弾道型月転移方式と言って地球や太陽などの重力を利用して少ない燃料で月まで行く方法で今回チャレンジしています。

月面都市ムーンバレー 写真提供:アイスペース社


アイスペースは月面の砂などを地球に持ち帰り、それをNASAで買って頂くことになっています。早速面白いアイディアで色々なビジネスをスタートしようとしています。

またこの着陸機には、おもちゃメーカーのタカラトミーの小型ロボットも搭載され月面で写真などを撮り地球に送ってくる実験などをするようです。
来年春にアイスペースの着陸機が成功すると、民間会社としては、世界初となります。

続いては、宇宙ベンチャー「デジタルブラスト社」の日本企業初の宇宙ステーション建設計画です。

民間の宇宙ステーション 写真提供:デジタルブラスト社


①実験棟 ②居住棟 ③動画配信などのエンターテイメント棟などを予定しており、早ければ2028年に宇宙での建設スタート予定です。

その他、宇宙とは関係なさそうな日本の会社も宇宙関連商品の開発をスタートしました。
  • ライオンですすぎが簡単な歯磨き
  • 花王で水を使わず髪や衣類の汚れをおとす洗浄シート
  • ワコールで宇宙生活を快適に過ごす靴下
  • ニトリで宇宙での睡眠の質向上のための商品
  • マンダムで宇宙でシャワー代わりに使えるボディーペーパー
もし、月面着陸までに事故が起きたら、大変です。
せっかく研究し作りあげた月面で使う機材や着陸機が事故などで壊れてしまったら、ベンチャー企業など倒産してしまいます。ですから、こわくて月面進出など出来ません。

そう言う会社をサポートしようと登場したのが保険会社です。
三井住友海上火災保険㈱は、ロケット打上げから月面着陸までに事故が起きたら保証する「月保険」を考えました。
今年12月に打上げられた日本の(株)アイスペースは「ハクトR」と言う月着陸船に、この保険をかけました。

最後に、JAXAがらみのプロジェクトを一部紹介します。
一つ目は、2023年の春に小型月面着陸機スリムを月面にピンポイント着陸させる予定。今までの着陸精度は数kmでしたが、小惑星探査機はやぶさなどの技術を使い100m以内を目指します。
成功すれば世界初となります。

それからJAXAは月面をテラヘルツ波で調べ水のある場所を探す小型月探査機「TSUKIMI」(ツキミ)を2024年に打上げ予定。

JAXAと国立天文台と神奈川大学などが宇宙の暗黒時代を観測する月面天文台を計画しています。

2028年度に打上げの月着陸船に、第1弾の電波望遠鏡搭載予定。30年代に3基、40年代に100基程度に増やして観測精度を高めるという。世界初の計画。

最後のまとめ

月面についても、世界の民間会社がたくさん入りビジネスが展開され、また宇宙関連機関や大学なども研究や実験場所を求めて月面に入っていきます。
将来的には月面にも経済圏が誕生すると思われます。
私が子どもの頃の日本は、テレビなどの電気製品や車の技術で日本の会社が世界に出て行きました。小さな町工場や電器屋さんから世界のホンダとかパナソニックになりました。それと同じように、これからは宇宙産業です。
ここ数年で、日本の若者がつくった小さな宇宙ベンチャー会社が50社ほど誕生しました。これらの中から、日本や世界を代表するように成長する会社が出てくる事でしょう。楽しみです。

国際宇宙ステーションからの地球写真 写真提供:NASA


世界の各国も日本と同様に宇宙開発を進めようとしています。
世界の国々と切磋琢磨して素晴らしい技術開発を行い、人類の宇宙進出を目指して欲しいと思っています。
ハッキリ言って、今地球の中で戦争などしている場合ではありません。

今回の投稿は、いかがだったでしょうか?

南米チリのアタカマ砂漠 写真:著者


来年の初夢は月や火星への宇宙旅行?あるいはエンジニアになって月面基地や月面都市の建設に関わっているかもしれませんね。

新しい年の初めには、思いっきり大きな夢をみて楽しんで下さい!

次回の投稿もお楽しみに!

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