南極老人星・カノープスを見よう!

 2月頃、かすかに見えるカノープス!

北半球の私たちに中々見ることのできない星「カノープス」についてお話しします。

写真中心部の白っぽい点がカノープス 写真撮影:著者

私が9年ほど前に赴任していました南米チリでは、日本でオリオン座を見るような感じで見えていた南十字星や「カノープス」です。

右上の一番あかるい星が南半球で見えるカノープス 写真提供:ESO


北半球には北極星があるので、天の北極の位置がすぐに分かります。ところが、南半球では南極星がないので、天の南極の位置が分かりません。
ですので、天の南極の位置を探すのに下の資料の通りカノープスを使って見つける方法もあるのです。

天の南極を探す方法 著者宇宙講演会資料より


南半球近辺では大変に明るい、りゅうこつ座の一等星カノープスとエルダヌス座の一等星アケルナルを線で結び、ここを底辺とする正三角形の頂点が天の南極の位置です。

ですが、北半球の日本では中々カノープスを見ることはできません。
南十字星も山梨からは見えませんが「カノープス」は南十字星よりは北側と言うか、日本に近い空にあるので、季節によっては、かすかですが地平線の上に見えることがあります。

日本の中でも北海道や東北などの北日本では見ることはできませんが、福島県が北限でかすかに、関東でギリギリですから私の住んでいる山梨もギリギリ見えます。

山梨は周りが山なので高い場所に行かないと見えません。
カノープスを見るのには2月が良いと思います。一番高い位置・ピークになった時にギリギリ見え、30分程度で下がってしまいます。

昨年の場合のピークの時間は、2月1日に午後9時20分、2月21日が8時、3月1日が7時半でした。
見える場所は出来るだけ高い場所、山梨県では山梨市の乙女高原と同じような高さの場所です。

山梨市の乙女高原近くで撮影したカノープス 写真撮影:著者


次の説明図の通り、オリオン座の南にある一番明るい星シリウスの南にあるのがカノープスです。


資料提供:NAOJ

金星とか木星などのように太陽の光で光って見える惑星ではなくて、自分で光っている星、夜空の星はほとんどが恒星と言う自分で光っている星です。この自分で光っている星の中で一番明るいのがシリウスと言う星です、二番目がカノープスなのです。

ですから本来なら凄く明るい星ですが、日本から見る場合は地平線すれすれですので地球大気をたくさん通るので大気の影響で暗くなり少し赤っぽく見えます。

冬の星空 写真撮影:著者


中国では、カノープスを「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」と呼び、この星を見ると寿命が延びる、という言い伝えがあるそうです。

今年は、ぜひカノープスを見つけて下さい。

次回の投稿もお楽しみに!

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