大型宇宙船スターシップ第7回目の打ち上げは1月10日の予定です!

今年も百人乗り大型宇宙船スターシップの進化に期待しましょう!

米スペースX社の大型宇宙船スターシップ、一昨年は第1段と第2段組み合わせによる軌道試験飛行を2回、昨年は4回、今まで計6回打ち上げを実施しています。

スターシップ宇宙船(写真提供:SpaceX)


今年は機体を大幅に改良し進化させました。

進化した大型宇宙船スターシップの第7回目の打ち上げを新年早々の1月10日に目指しているようです。

次に、今回の各改良場所について、お話しします。

<改良場所>

一つ目は、前方と後方にある可動翼をフラップと言います。宇宙船が大気圏に再突入する際には姿勢を制御し安定させる役割、特に前方フラップは機体の先端近くに位置し再突入時の空気抵抗を調整するために使用される。

スターシップ宇宙船(写真提供:SpaceX)

今回は前方フラップの大きさを小さくして、熱シールドから離れた場所に移動したようです。フラップのサイズや位置の変更は、再突入時の熱の影響を軽減し、機体の保護タイルやメカニズムを簡素化するための改良の一環です。

二つ目は、宇宙船を動かすエンジンが改良され、燃料の量が25%増えました。これにより、もっと遠くまで飛べるようになります。

三つ目は、宇宙船の電子機器がアップグレードされ、性能が向上しました。これで、宇宙船がもっと正確に操縦できるようになります。

四つ目は、宇宙船が地球に戻るときに熱から守るシールドが最新のタイルに変わりました。

五つ目は、宇宙船をコントロールするフライトコンピュータが強化されました。

六つ目は、StarlinkやGNSS、バックアップ通信機能を一つにまとめた複合アンテナが搭載されました。

七つ目は、宇宙船の位置を正確に把握するための航法・星追跡センサーが高性能なものに再設計されました。

八つ目は、宇宙船の外側に30台以上の機体カメラが取り付けられ、飛行中の状況をリアルタイムで確認できます。

その他としては、Starlinkのおかげで、どの段階でも120Mbpsを超える速さでリアルタイム映像を送ることができます。

打ち上げを待つスターシップ宇宙船(写真提供:SpaceX)


以上のような改良によって進化した大型宇宙船スターシップの打ち上げに期待し応援ましょう!

今回の打ち上げの見どころ

今回のスターシップ宇宙船は、初めて貨物を運ぶことになります。10個のStarlink模擬衛星を搭載しており、これらの衛星は宇宙船から放出されてインド洋に着水します。

スターシップ宇宙船の1段目のロケットであるスーパーヘビーは、以前のフライトテストで回収されたものを再利用します。実際に回収したロケットを使って打ち上げるのは今回が初めてです。

スーパーヘビーロケット(写真提供:SpaceX)

さらに今回もスーパーヘビーロケットは「チョップスティック」と呼ばれる、ご飯を食べるハシのような形をした装置でつかまれ回収される予定です。是非とも成功して欲しいですね。

ハシでスーパーヘビーロケットを捕まえた動画を見たい方は、こちらから⇒



大型宇宙船スターシップの構成

簡単に大型宇宙船スターシップの構成をお話しすると、

世界初の完全再使用型の二段式超大型ロケット(写真提供:SpaceX)


大型宇宙船スターシップは、米スペースX社が開発中の、世界初の完全再使用型の二段式超大型ロケットであり宇宙船。

打ち上げシステムの構成としては、ロケットの2段目の部分が宇宙船スターシップで、1段目のブースター部分はスーパーヘビーロケット。2段目のスターシップは長期間の軌道滞在が可能な乗客・貨物兼用の最大百人乗りの宇宙船であり、ロケットと宇宙船両方の役割をもっている。

大型宇宙船スターシップの今までの軌道試験飛行結果

2016年にスターシップ計画が初めて公表された。

2段目の宇宙船スターシップ兼ロケットや1段目のスーパーヘビーロケットは単体での部分試験を実施。

2023年4月20日、大型宇宙船スターシップと超大型ロケット・スーパーヘビーとの組み合わせによる、第1回目の軌道試験飛行が行われた。計画では、スーパーヘビーロケットはメキシコ湾に、宇宙船スターシップは地球一周後にハワイ沖に着水予定であった。

スーパーヘビーロケットの離陸に成功、しかし宇宙船スターシップの分離に失敗。高度39kmに達した時点で機体は回転を始め制御不能状態となったことで自動飛行停止システムにより機体は爆破。

2023年11月18日、第2回目の軌道試験飛行を実施。スーパーヘビーロケットのエンジンは分離まで安定し分離も成功。でも、宇宙船スターシップは高度148kmの宇宙空間に到達した時点で軌道投入前に通信を途絶、またスーパーヘビーは分離してすぐ爆発。

2024年3月14日、第3回目の試験飛行では宇宙船スターシップは予定エンジンの燃焼を達成、軌道到達、地球を半周してインド洋上で大気圏再突入を開始、機体は再突入中に破壊され着水には至らなかった。スーパーヘビーロケットも着水直前で爆発。

2024年6月6日、第4回目の試験飛行ではスーパーヘビーロケットはメキシコ湾への着水に成功。宇宙船スターシップも、インド洋への着水に成功。

スターシップ宇宙船とスーパーヘビーロケット組み合わせ試験飛行(写真提供:SpaceX)


2024年10月13日、第5回目の軌道飛行試験では初めてスーパーヘビーロケットの発射台への帰還が試みられ、メカニカルアームによる回収に成功。宇宙船スターシップもインド洋の正確な目標地点に着水。

2024年11月19日、第6回目の飛行試験が行われ、スーパーヘビーの発射台への帰還は実施されなかった、宇宙船スターシップは正確な目標地点に着水。また飛行中には宇宙空間でのエンジン再点火が確認。

         第6回目の打ち上げ映像(映像提供:SpaceX)


以上が昨年までの宇宙船スターシップと超大型ロケットとの組み合わせでの軌道試験飛行の結果です。


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