来年・約50年ぶりに 月を目指すアルテミスⅡ

来年・約50年ぶりに有人宇宙船で月を回ってくるアルテミスⅡ

2024年の11月に予定していた、約50年ぶりの有人宇宙船に4人の宇宙飛行士が月を目指すアルテミスⅡは、2024年1月11日に延期するとNASAが発表!

50年ぶりに月を周回するアルテミスⅡは2024年の11月から2025年9月へ、二人の宇宙飛行士が月面着陸するアルテミスⅢは2025年12月予定でしたが2026年9月に延期となった。但し、その後の2028年のアルテミスⅣは、そのままで変更なし。

アルテミスⅡクルー (写真提供:NASA)

アルテミスⅡは、再来年のアルテミスⅢで男女の宇宙飛行士が月面に降りますので、その下準備として4人の宇宙飛行士が月の周りを回ってくるのが来年のアルテミスⅡの仕事です。

ご存じの通り、今から51年前の1972年12月アポロ17号で宇宙飛行士が月面におりていますが、月面に降りてかえってくる事、つまり月に行ってくることがアポロ計画の目的でした。
アルテミス計画では月面に滞在する事、更に宇宙飛行士による火星探査などの為に月面基地をつくったり、月の周りを回る宇宙ステーションをつくったりします。

アルテミスⅡポスタ (写真提供:NASA)



アポロ計画とアルテミス計画の、他の違いは、
アポロ計画の時はアメリカが1ヶ国だけで全て進めましたが

アポロ計画での宇宙飛行士の月面足跡 (写真提供:NASA)



アルテミス計画では、アメリカを中心に日本・欧州・加・豪などの多くの国や民間会社が計画に加わりました。

民間会社は、例えば米スペースX社やブルーオリジン社など、
日本からはトヨタ自動車やアイスペース・日産・ホンダ・三菱重工などが参加しています。

それから、アポロ計画で月面に降りた場所は
6回とも地球から見える月のおもての部分でした

アポロ計画での月面着陸場所 (資料提供:NASA)


アルテミス計画では月の南極部分です。

なぜかと言うと、月の南極には氷があると言われているからです。

それでは、まず最初にアルテミス計画全体について簡単に説明してから、アルテミスⅡについてお話します。


アルテミス計画について


まずアルテミス計画のアルテミスと言う言葉ですが
アルテミスはアポロ計画のアポロンとは双子で、月の女神です。

スペースローンチシステム (写真提供:NASA)



アルテミス計画のスタートであるアルテミスⅠは無人で月を往復する試験飛行と言う事で、
一昨年2022年の11月にマネキンを乗せたオリオン宇宙船をSLSロケット(スペース・ローンチ・システム・ロケット)で
フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げ試験飛行は成功しました。

それではアルテミスⅠの打ち上げから地球に帰るまでの実際の映像を見て頂きましょう。




今、見て頂いたアルテミスⅠで、乗っていたマネキンにかかるストレスを詳細に確認したのです。

例えば、ロケット打上げ時などの衝撃、それから放射線量や温度などです。

それらのデータをもとに、
宇宙飛行士に可能な限りストレスがかからない様に改善して

来年の2025年にアルテミスⅡで月に向かいます!

SLSロケットと満月 (写真提供:NASA)



次に再来年2026年にはアルテミスⅢで2人の宇宙飛行士が月面に降ります。

この2人は、女性として初めて月面に降りるアメリカの女性宇宙飛行士と、白人以外で初めて月面に降りる有色人種のアメリカ人男性宇宙飛行士です。

アルテミスⅢ以降の計画については、着陸機や宇宙服などの不具合など発生した場合、遅れる可能性もありますが
現時点、アルテミスⅣは2028年打上げ予定です。

アルテミスⅣは月の周りを6日ほどで回る宇宙ステーション・ゲートウェイの建設作業や月面着陸が予定されています。

月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」 (写真提供:NASA)



アルテミスⅤからアルテミスⅦまで宇宙飛行士の月面着陸が予定されていますが、
宇宙飛行士については、現在発表されていません。

2020年代後半から2030年代初めに実施される、アルテミスⅤからⅦまでの月面着陸ミッションのどれかに日本人宇宙飛行士が参加すると言われています。

今後どのように変化するか分かりませんが、
現時点では、日本人宇宙飛行士の2人が月面に降りるミッションへ、1人が月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」まで行く内容で日米間で調印が進んでいると、年末から年始のニュースで流れています。2024年の1月から2月ごろに調印されるようです。

アポロ計画ではアポロ8号・アポロ10号から17号までの9つの宇宙船が各3人の宇宙飛行士・合計27人を月まで運びました。

ですから、来年のアルテミスⅡでは4人が月周回軌道を回ってくるので、
成功すると、月を回って帰ってきた宇宙飛行士は31名となるわけです。

それから月面着陸については
50年ほど前に、アポロ11号のアームストロング船長が月面に降りてからアポロ17号まで、
但し13号は故障のために地球に戻りましたので、
6機の着陸船が各2人、合計12人を月面に降ろしました。

ですので、
再来年である2026年にアルテミスⅢで2人が月面に降りると、月面に降りた宇宙飛行士は14人となります。
アルテミス計画では、2028年のアルテミスⅣ以降・毎年1回のペースでアメリカを中心に日本や他の国の宇宙飛行士が月周回飛行を行い、そして月面に降りる予定です。

2026年のアルテミスⅢと2028年のアルテミスⅣで使われる
月着陸船は、スペースX社の大型宇宙船「スターシップ」に決定しています。

宇宙船「スターシップ」 (写真提供:Space X)


アルテミスⅤでは、ブルーオリジン社の宇宙船「ブルームーン」が決まっています。

月着陸機「ブルームーン」 (写真提供:Blue Origin)



それから、アルテミス計画の最終目的は、2040年までに宇宙飛行士が火星を目指します!


アルテミスⅡについて


続いては、本題のアルテミスⅡについて、お話します。
まず、アルテミスⅡはアルテミス計画の最終ミッションである有人火星探査の第一歩と位置づけ、来年に月周回のために打上げを予定しており、現時点・9月予定です。

アルテミス計画として、また宇宙船オリオンとしても初めて宇宙飛行士を乗せての有人飛行です。アメリカのフロリダ州ケネディ宇宙センターからSLSロケットで打ち上げです。

アルテミスⅡが、どのようなコースを回るのか次のアルテミスⅡマップを見て下さい!

アルテミスⅡマップ (資料提供:NASA)


米ケネディ宇宙センターからSLSロケットで打上げられたオリオン宇宙船は地球を回る軌道上で太陽電池パネルを開き充電を開始します。

交信テストなど様々なテストを行ってから月に向かう、
この時に地球の周りの軌道から自由帰還軌道に入り、月の表面側から外側に回り、再び表面を通り地球に帰ってきます。

宇宙船「オリオン」 (写真提供:NASA)



地球から打ち上げ、月から地球に帰るまで、約10日間の予定。
地球への帰還場所はアメリカ沖の太平洋上です。

また自由帰還軌道とは、地球から離れ月の重力によって推進力なしで地球まで戻ります。
地球と月を丸で囲み、8の字となるような軌道です。


アルテミスⅡの4人の宇宙飛行士を紹介!


それでは、来年のアルテミスⅡで50年ぶりに月を目指す4人の宇宙飛行士を紹介します。

まず最初に、船長のことをコマンダーと言いますが、アルテミスⅡのコマンダーはNASAのレイド・ワイズマン宇宙飛行士、10年前・ISS国際宇宙ステーションに約6ヶ月間の長期滞在しました。

レイド・ワイズマン宇宙飛行士 (写真提供:NASA)



経歴としては、元戦闘機パイロット、
またNASAの宇宙飛行士室長を務めたこともあります。


パイロットはNASAのビクター・グローバー宇宙飛行士
ビクター・グローバー飛行士は、2020年11月に宇宙船クルードラゴン初号機に乗った日本の野口聡一宇宙飛行士と同じチームで国際宇宙ステーションに長期滞在しました、

ビクター・グローバー宇宙飛行士 (写真提供:NASA)



経歴としては、元海軍パイロットで日本に駐屯経験が有り、またアルテミスⅡで、黒人として初めて月を回ってくる宇宙飛行士となります。


そしてミッション・スペシャリストはNASAのクリスティーナ・コック宇宙飛行士です。 

クリスティーナ・コック宇宙飛行士 (写真提供:NASA)


女性による1回の宇宙飛行で過去最長滞在記録の328日を達成、約11ヶ月の宇宙滞在。

またアルテミスⅡで女性として初めて月を回ってくる宇宙飛行士となります。

宇宙飛行士って、飛行士になる前は軍人とか・お医者さんやエンジニアが多いです、クリスティーナ・コック飛行士は私と同じエンジニア出身と言う事なので、親しみを感じ、いつも応援していました、これからも頑張って下さい!


それから、もう1人のミッション・スペシャリストはカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセン宇宙飛行士です、アルテミスⅡが初めての宇宙飛行。

ジェレミー・ハンセン宇宙飛行士 (写真提供:NASA)



経歴は、元カナダの戦闘機パイロットで、このジェレミー・ハンセン飛行士はアルテミスⅡで米国人以外としては初めて月周回飛行をする宇宙飛行士となります

それでは、4人の宇宙飛行士の紹介動画がありますので、ご覧下さい。




以上、アルテミスⅡの4人の宇宙飛行士の紹介でした。

アルテミスⅡクルー (写真提供:NASA)



アルテミスⅡの準備状況


現在もアルテミスⅡの準備が行われていますので、一部ではありますが、その映像を見て下さい!




続いては、アルテミスⅡの4人の宇宙飛行士が、米フロリダ州ケネディ宇宙センター内で自分たちが乗る宇宙船オリオンとの初対面映像です。



来年9月のアルテミスⅡの打ち上げ、楽しみですね!
今現在もアルテミスⅡの科学者やエンジニアそれから作業者や関係者の皆さん方が、予定通り進めるように準備をしています。

またそれらとは別に、再来年の月面に降りるアルテミスⅢ以降のミッション担当の皆さんも、平行して準備を進めています。

さらに再来年の月面着陸機として予定されているスペースX社の大型宇宙船スターシップ、
それからアキシオム・スペース社の月面で使う宇宙服なども併せて開発されています。 

次世代型の宇宙服 (写真提供:NASA)



日本のアルテミス計画への参加内容


次に、日本がアルテミス計画でどんな所に参加するのか、お話します。

日本のアルテミス計画での役割は、月を回る宇宙ステーション・ゲートウェイの中で使う機器類も製作します。

月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」 (写真提供:NASA)



またゲートウェイに荷物を運ぶのに日本の輸送機も使われます。
現在地球を回っている国際宇宙ステーションに荷物を運んだ宇宙船「こうのとり」の月に運ぶための改良型機です、月バージョンです。

また月面を走るトヨタの「ルナ・クルーザー」など日本の技術が月面で活躍するでしょう。

ルナークルーザー (写真提供:TOYOTA/JAXA)



さらに日本の宇宙飛行士が月面に降りたり、月の周りを回る宇宙ステーション「ゲートウェイ」に行くことも、楽しみにしています。


最後に!

今まで人類は宇宙を目指すために
スペースシャトルや国際宇宙ステーションを中心に
約半世紀の間、地球の周りの宇宙開発を進め多くのことを学んできました。

それらの知識や技術を元に、満を持して、月面を目指します!

月面基地建設 (写真提供:NASA)



アルテミス計画をきっかけに、月面だけでなく
2040年までには火星や小惑星への有人探査も計画されており

有人火星探査 (写真提供:NASA)



更にその先には、木星や土星などへ向かうことでしょう!

頑張れッ地球人☺!

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