2020年代後半に日本人宇宙飛行士が月面に降りる

日本人宇宙飛行士2人が月面に降りると言うビッグニュース

昨年末に米カマラ・ハリス副大統領が2020年代のミッションで、米国以外の国の宇宙飛行士が月面に降りると発表!


月面での宇宙飛行士 (写真提供:NASA)


しかも、それが日本人宇宙飛行士だと知らされた時には、日本中・特に子供達は驚いたと思います。
更に世界中にビッグニュースとして報道されました!

今回は、そのビッグニュースが3ヶ月後の現在、どんな事になっているか、アルテミス計画のスケジュールなどと合わせて話したいと思います。

アルテミス計画について

米国を中心に、日本・欧州・カナダ・オーストラリアなどが参加して月面探査・月面への長期滞在、また民間にも呼びかけて月面に経済圏を誕生させようと考えています。

アルテミス計画の最終目標は、火星への有人探査です。と言う事で、各国とも地球上での準備に入っています。

月面基地 (写真提供:JAXA)



アルテミス計画の各ミッションは、アルテミスⅠは2022年11月16日に無人ですがマネキンを乗せて、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、25日半かけて月を周回して12月11日にメキシコ湾の太平洋上にスプラッシュダウンしました。

と言うことで、アルテミスⅠの無人での月周回飛行は成功しました。

先ほど、メキシコ湾の太平洋上にスプラッシュダウンしました、と言いましたが、この「スプラッシュダウン」とはどんな意味かというと宇宙船が海に着水することです。
スプラッシュは「しぶき」です。海水が飛び散るしぶきです。
ダウンは「降りる」です。で、スプラッシュダウンで「着水」となります。

アルテミスⅡは、アルテミス計画では初めて宇宙飛行士を乗せて月を回ってきます。

今年年末に打ち上げ予定でしたが、2025年ですから来年ですね、9月に打ち上げ延期となりました。

このアルテミスⅡは、4人の宇宙飛行士がオリオン宇宙船に乗って月面には降りないで
約10日間かけて月を回って帰ってきます、アメリカの太平洋上にスプラッシュダウン予定です。

このアルテミスⅡでは初、初めてのことが沢山あります。
さぁ、どんなことでしょう?

アルテミスⅡのメンバー4人紹介しますと、それが分かります。



アルテミスⅡのメンバー4人 (写真提供:NASA)



船長は米国NASAのレイド・ワイズマン宇宙飛行士。

パイロットはNASAのビクター・グローバー宇宙飛行士で、黒人初の月を回ってくる宇宙飛行士となります。

次はNASAのクリスティーナ・コック宇宙飛行士で、女性初の月を回ってくる宇宙飛行士となります。

次はカナダのジェレミー・ハンセン宇宙飛行士で、米国人以外で初めて月を回ってくる宇宙飛行士となります。

そして、約50年ぶりに月面に降りるアルテミスⅢは2026年9月打ち上げ予定ですが、月に向かう宇宙飛行士は発表されていません。

日本の宇宙飛行士は、ここには選ばれない予定です。

日本人宇宙飛行士が月面に降りるのは、いつか?

現時点では、2028年以降と予想されています。2028年以降は、毎年月面に行く予定です。

この中で、日本人宇宙飛行士が2人、月面を目指す予定のようです。

それからアルテミス計画では地球の周りを回っている国際宇宙ステーションとおなじような
月を回る宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設します。

月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」 (写真提供:JAXA)



この月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」に行く日本人宇宙飛行士1名もいるようです。

月面に降りるのが最低2人、宇宙ステーション・ゲートウェイに1人、計3人。
人数が変わる可能性もあります。

はっきりするのは、4月10日ごろです。楽しみですね。

月面に降りる日本人宇宙飛行士は誰か?

それから、日本人宇宙飛行士の誰が月面に降りるのかは、多分4月10日ごろも分からないと思います。

なぜなら、有力候補の諏訪理さんと米田あゆさんが現在訓練中で、宇宙飛行士になっていませんから。諏訪理さんと米田あゆさんが宇宙飛行士になるのは、順調に進んだ場合で今年の11月と言われています。
ですので、誰が月面に降りるかの発表は今年11月以降です。

月面基地 (写真提供:JAXA)



今までの例を見ますと、例えば来年の9月打ち上げ予定のアルテミスⅡのメンバーは現在発表されています。
再来年の9月打ち上げ予定のアルテミスⅢのメンバーは発表されていません。

ですから、日本人の宇宙飛行士が月面に降りるのは2028年以降ですから、一般への発表は、早くて2026年ごろです。勿論、宇宙飛行士本人には、もっと早く内示はあると思います。

それから現時点では、昨年末からのニュースやNASAなどの宇宙関連情報などを見ている限りでは、日本人宇宙飛行士は米国人以外として、世界で二番目に降りる国の宇宙飛行士となる可能性は高いです。

日本政府も、日本人宇宙飛行士が月面に降りるのは2020年代後半を希望しているようです。

日本人宇宙飛行士が米国の次の二番目に選ばれた理由

今回、日本人宇宙飛行士が月面に降りることになったのは、国際宇宙ステーションでの日本の宇宙飛行士の皆さんの活動が認められたことは勿論ですが、
国際宇宙ステーション内で使用した日本製の機器など設備類の技術や筑波の地上局の皆さんの国内外宇宙飛行士への対応力なども高く評価されたものと思われます。

国際宇宙ステーション (写真提供:NASA)



国際宇宙ステーションのミッションで高い評価を受けた日本の技術力には、どんなものがあるかと言うと
①ISSに荷物を届ける宇宙船「こうのとり」の技術
②日本の実験棟「きぼう」製造の技術
③水再生装置の技術
④日本の船外実験プラットフォームの技術
⑤太陽電池パネル用の充電器技術
など、まだまだ世界トップクラスの技術はあります。

①の荷物を届ける宇宙船「こうのとり」は、
新しい方式を考えたのです。ISSにランデブーしてロボットアームでドッキングさせる方式です。
その後に製作された荷物運搬用の宇宙船は、例えば米国のスペースX社のドラゴン宇宙船など全て日本のランデブー方式になりました。
つまり、世界標準を作ったことになります。但し、これは有人宇宙船ではなくて、荷物輸送用の宇宙船ですので間違えないようにしてください。

②の日本の実験棟「きぼう」については、世界中の宇宙飛行士から使いやすいと高い評価を受け、さらに他の国の製作した実験棟は設備類の音が大きいので、日本の実験棟は、可能な限り音を小さくおさえようと頑張った所が認められました。
他の国が製作した実験棟に比べ、静かで科学実験などに集中しやすいと言う事です。

③の水再生装置についてや⑤の太陽電池パネル用の充電器については、今まで使用していた、米国やロシアの設備に比べて厳しい宇宙環境の中でも、性能アップさせたことが評価され、これらの技術は、月の周りを回る宇宙ステーション「ゲートウェイ」や月面に設置する装置類に使用される予定です。

それから、④の日本の船外実験プラットフォームは多くの観測成果を出し、高く評価されました。

日本の実験棟きぼうの船外実験プラットフォーム (写真提供:NASA)




月面活動で活躍しそうな日本の技術力

それから更に、月面で使用する装置などの技術力も、高い評価を受け月での日本の技術力発揮に、世界から期待されています。

一つは今年に入って成功した月着陸機スリム、世界で五番目となった月着陸成功です。それから、スリムの世界初のピンポイント着陸成功です。

世界初のピンポイント着陸を成功させた日本の月着陸機スリム (写真提供:JAXA)



日本の月着陸機スリムは、世界からムーン・スナイパー(月の狙撃手)と呼ばれている。

これは現在において「月面の降りたい場所に降りる事のできる」世界でただ一つの技術です。

更には、H3ロケットの成功です。
月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」や月面基地建設用の荷物を運ぶ時などに荷物運搬用の宇宙船「こうのとり」の月バージョンを打ち上げる時にこのH3ロケットを使用予定です。
日本の主力ロケットH3 (写真提供:JAXA)




日本の民間会社もアルテミス計画に参加

民間の会社も頑張っています。

地球と月との荷物輸送システムにチャレンジしている日本の宇宙ベンチャー・アイスペースは2024年度に再挑戦する予定です。

それから、トヨタ自動車などなど多数の会社があります。
トヨタ自動車が中心となって進めている月面探査車の名前はルナ・クルーザーです。
この探査車ルナ・クルーザーは、来月の調印時に、10年間使用することで合意する予定のようです。

探査車ルナ・クルーザー (写真提供:JAXA/TOYOTA)



メチャクチャ凄い話です、日本の車が月面で走り続けるんですよ!
10年も走り続け、トラブル対応など実績を積み重ねると、その後も、月面での探査車は日本車と言うことになるでしょう。
素晴しい!

最後に!

今まで話してきた、これらの内容は最終的には4月10日の日米首脳会談で決まるようです。
宇宙飛行士の人数については、月面に降りる2名と宇宙ステーション・ゲートウェイへの1名以外に、増えたり変わる可能性はあります。

月面基地 (写真提供:NASA)



世界初の人工衛星スプートニク1号やユーリ・ガガーリン宇宙飛行士の初めての宇宙飛行
それから、アポロ11号のアームストロング船長の月面への第一歩などをライブで知っている世代の皆さんが元気なうちに、日本人宇宙飛行士が月面に降りるなんて。
こんな事をライブで見れるなんて夢にも思っていなかったことでしょう。

多分、近づくとワクワクしっぱなしじゃあないかと、今から興奮してしまいそうです。

勿論、スプートニク時代・ガガーリン時代・アポロ時代でない、スペースシャトル時代の40~50才代、更には国際宇宙ステーション時代の若者達も、このビッグニュースには驚いていることでしょう。

月面基地 (写真提供:JAXA)



私の月面に向かう3人の日本人宇宙飛行士の中に、米田あゆさんと諏訪理さんは入るのではないかと予想しています。
まだ、訓練中で正式に宇宙飛行士とはなっていませんが、月を目指すために選ばれたようなものなので。

それでは、4月10日のNASAと日本政府の発表をワクワクしながら!
日本中を、いや世界中を元気に明るくしてくれるニュースを楽しみに待ちましょう!




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