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いま夜空に真っ赤に明るく輝く火星を楽しもう、ピークは1月12日

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  今、地球に接近中の真っ赤な火星が東の空に輝いています! ご存知の方もいると思いますが、地球と火星は約780日、つまり2年2ヶ月ごとに接近します。ですから、2025年の惑星現象で特筆すべきものとして、1月12日の火星最接近が挙げられているのです。 今回の1月12日の接近は、距離的には約9608万㎞です。 火星と地球の最接近は1月12日23時ごろ。 このときの火星と地球の間の距離は最接近としては遠めの距離です。 最接近時の地球と火星(資料提供:NAOJ) 普段、夜空で突然に火星を見ても、他の星との見分けが中々つきません。但し、しっかりと見続けて目が慣れてくると、赤味がかっているのが分かってきます。 でも、今は昨年末ごろから赤味が増しており、しかも明るいので火星だと直ぐに分かります。火星の明るさはマイナス1.5等くらいです。 1月12日に地球に最接近した火星は、1月16日に衝(しょう)となります。 衝とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽と反対側になることです。 衝の頃の火星は、太陽が沈むころに東の空から出てきて、日の出のころに西の空に沈み消えるので、一晩中観察できます。 また真夜中には南の空に高く、天頂付近に見事に赤く輝いています。 月が火星に接近(資料提供:NAOJ) さらに火星の明るさについて詳しく触れますと、正月のこれからが火星が最も明るく輝く時期です。 1月8日から1月22日まで、マイナス1.4等の明るさで(1月15日と16日はマイナス1.5等)。 これは全天で最も明るく輝く恒星のシリウス(約マイナス1.5等)とほぼ同じ明るさです。 夕方、西の空に見える金星(約マイナス4.5等)や、火星よりも先に行っている感じの西側に位置する木星(約マイナス2.5等)と比べると火星は若干暗く見えますが、深夜に天頂近くで赤っぽく輝く姿は、明るく輝いています。ぜひ楽しんでください。 星のことを知らなり子どもさんでも「あの赤い星は何?」と気付くでしょう。 1月中旬の東京の空(資料提供:NAOJ) 今、午後8時とか9時ごろに東の空を見ると、子どもさんでも知っているオリオン座の上に赤く輝く火星が目立って見えます。 明るく輝く火星と一緒に冬のダイヤモンドも楽しもう 今、最接近時の赤く明るく輝く火星を楽しむのには、午後8時から午後9時ごろに東の空から上がってくるオリオン座の上に火...

イーロン・マスクの宇宙開発

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  待ちに待った宇宙開発エンジニアの誕生! イーロン・マスクはアフリカで生まれ、アメリカに渡り、苦しい生活の中で会社を立ち上げました。20代の初めから、たった30年で世界一のお金持ちとなった、現代の代表的なアメリカン・ドリーマーです。 イーロン・マスクはアフリカで生まれ、アメリカに渡り、苦しい生活の中で会社を立ち上げました。20代の初めから、たった30年で世界一のお金持ちとなった、現代の代表的なアメリカン・ドリーマーです。 イーロン・マスク(写真提供:NASA) 彼は宇宙開発のスペースX社や電気自動車のテスラ社、そしてインターネットのX(旧ツイッター)など、世界トップの会社をいくつも経営しています。 さらに、イーロン・マスクは人型ロボットやAI、人間の脳とAIの統合など、最先端技術にも取り組んで成功しています。これらの取り組みは、世界中の人々に注目されています。 イーロン・マスクの活躍は、アメリカや日本を中心に世界中の宇宙ベンチャーにも影響を与えました。 例えば、通販サイト・アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスもその一人です。 超多忙な生活にもかかわらず、今なお新しい製品開発や、新しい会社の設立を続けています。 最近では政治活動にも関わり、普通の人の数倍のパワーを持つ頑張り屋さんで、まさしく鉄人、アイアンマンです。 イーロン・マスクは、アメリカのスーパーヒーロー映画『アイアンマン』のモデルでもあります。 また、iPhoneやiPadを世に送り出した伝説の人、スティーブ・ジョブズを超えたとも言われ、アメリカ大統領より影響力のある男とも言われています。 まずは、どんな人物か知っていただくために、生い立ちからお話しします。 イーロン・マスクの生い立ちから会社設立まで 両親はエンジニアの父とカナダ出身の母で、1971年に南アフリカに生まれ、弟と妹の3人兄弟でした。 アフリカ(写真提供:NASA) 子どもの頃からロケットやコンピュータのプログラミングに興味を持ち、図書館の本を読むのが大好きな少年でしたが、ひどいイジメにもあったようです。 9歳の時に両親が離婚し、弟と共に父に引き取られました。 その後、1989年に母の出身地であるカナダに移住しました。 お金も無く厳しい生活だったため、農場の野菜畑で働いたり掃除をしたり、製材所でボイラーの掃除や木を切ったりする過酷な肉体労働の...

年表の実績からみるイーロン・マスクの凄さ!

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  小型ロケットの打ち上げ成功から一気に急加速! クルードラゴン宇宙船の前でイーロン・マスク(写真提供:NASA) イーロン・マスクの実績を年表で見ると、その凄さが一目瞭然です。 2002年 :スペースX社を設立 2006年 :4年後、小型ロケットの一回目打ち上げに失敗 2007年 :5年後にも二回目失敗 2008年 :6年後も三回目失敗 2008年 :民間会社として世界初、小型ロケットの打ち上げに成功 2010年 :民間会社として世界初、中型ロケットの打ち上げに成功 2012年 :民間会社として世界初、無人宇宙船の飛行に成功 2015年 :世界初、中型ロケットの再利用ロケット打ち上げに成功 2018年 :民間会社として世界初、大型ロケットの打ち上げに成功 2020年 :世界初、全自動有人宇宙船の飛行に成功 2022年 :地球上ほぼ全域で世界最大の衛星インターネットサービスを開始 2024年 :大型宇宙船スターシップの軌道投入に成功 このように、イーロン・マスクは人類の宇宙開発に大きく貢献しています。2000年代に入ってからのロケット、月面探査、宇宙船、宇宙旅行などの驚くべき進展は、彼の影響が大きいと言っても過言ではありません。 例えば、再利用ロケットの一例を挙げると、アメリカのNASAやヨーロッパ宇宙機関(ESA)、日本のJAXAなどの構想では、現時点の技術では難しいとされていましたが、数十年先には実現可能と考えられていました。しかし、イーロン・マスクはその予想を数十年も早めてしまいました。 船の甲板に降りた再利用ロケット(写真提供:SpaceX) 彼は会社を設立してから6年後、民間企業として初めて小型ロケットの打ち上げに成功しました。そして、その成功からわずか7年後には、世界初の中型ロケットの再利用化を実現しました。このように、彼の革新的なアイデアと実行力が、宇宙開発のスピードを劇的に加速させました。 現在、私たちは宇宙から戻ってきたロケットが地上に垂直に着陸する映像を楽しむことができます。これは、イーロン・マスクの再利用ロケット技術のおかげです。彼の技術は、将来の月や火星、小惑星への着陸にも応用されるでしょう。 ロケットの空中キャッチ(写真提供:SpaceX) さらに、今年の10月には、大型宇宙船スターシップの第一弾ロケットであるスーパーヘビーロケット...

人類の宇宙開発を急加速させたイーロン・マスク

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  世界の宇宙開発業界に、ヤング・アイアンマンの登場 1980年代から1990年代、 世界のほとんどの宇宙開発に携わるエンジニアや科学者は、世界の宇宙開発のまどろっこしいプロジェクトの数々に嫌気をさしていたところでした。 なぜかと言うと、この頃に現役の関係者として活躍していた皆さんは、ほとんどが「地球は青かった」のユーリー・ガガーリン宇宙飛行士や「私はカゴメ」のワレンチナ・テレシコワ宇宙飛行士、さらに「これは小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である」のニール・アームストロング船長などアポロ計画の宇宙飛行士の皆さんの、なんらかの影響を受け、宇宙関係の仕事を目指した人達ばかりです。私も、そんな中の一人でした。 ですから、夢にまで見た月面開発や小惑星・火星などへの有人探査が思うように進まず、苛立っていました。前に積極的にチャレンジしなければ、新しいステージは生まれないと、私も一エンジニアとして、じれったい思いでいっぱいでした。 実際、1972年アポロ17号のユージン・サーナンとロナルド・エヴァンス、そしてハリソン・シュミットの三宇宙飛行士以来50年以上、月には行っていないと言うか、目指そうともしなかった。 確かに予算などの各国事情もあったかと思います、また税金の無駄づかいなどと騒ぐメディアとの闘いもあったでしょう。それにしても、一国ではなく現在進めているアルテミス計画のように数十ヶ国の連合体で進めるなどの工夫と努力を重ねれば突破口と言うか新しいステージは出てくるはずだと、結果として数十年も無策は無いだろうと、人類の有人探査に発言権さえ与えられない一エンジニアの私は怒り心頭でした。 さらに、有人探査の最先端プロジェクトであるスペースシャトルも事故など原因究明に時間が大変にかかり、開発が停滞気味で、世界中のエンジニアたちがまどろっこしさを感じている日々でした。 ところが、2000年代に入って、凄い若者が登場した。2002年にスペースX社を創設したイーロン・マスクです。 イーロン・マスク(写真提供:NASA) 南アフリカ生まれの男がアメリカに渡り、お金の無い中を会社を立ち上げた。安いオフィスを借りるとアパート代が払えずオフィスに寝泊まり、勿論シャワーや風呂もないのでYMCAのシャワーを浴びた。 そんな男が、インターネットサービスでタウンページやクレジットカードなど...