宇宙へ
宇宙へ
― あの日、打ち上がったのは衛星だけじゃなかった ―
「あの日のことを、今でも忘れない。」
宇宙エンジニアとして仕事をしてきた私にとって、
いくつもの出来事が記憶に残っています。
その中でも、特別な一日があります。
初めて携わったロケットの打ち上げです。
ロケットは、地上にいる私たちの手を離れ、宇宙へ向かって飛び立っていきます。
リフトオフ。
そしてマックスQを越え、
いよいよ軌道投入の瞬間。
その瞬間、管制室のみんなで、
「バンザーイ!」
と、何度も叫びました。
無事に衛星が宇宙へ送り出された。
その喜びは、言葉では簡単に表せないものでした。
衛星を直す仕事
私の仕事は、衛星の修理でした。
打ち上げ前から、宇宙で衛星が働き始めるまで。
そして、宇宙へ行った後に何かトラブルが起きれば、その対応にもあたります。
小さな異常から、大きな危機まで。
仲間とともに、一つひとつ乗り越えていきました。
宇宙エンジニアの仕事は、華やかなものばかりではありません。
地道な確認もあります。
何度も試験を繰り返すこともあります。
うまくいかなければ、原因を探し、考え、直す。
そしてまた確認する。
そんな積み重ねの先に、ロケットの打ち上げがあります。
だからこそ、軌道投入の瞬間に、
「バンザーイ!」
と叫んだときの感動は、特別なものでした。
宇宙で始まる、衛星の仕事
打ち上げが成功して終わりではありません。
ここで終わるのはロケットエンジニアの皆さんです。
そこから、衛星エンジニアの本当の仕事が始まります。
太陽の翼を広げ、そして太陽に向け電気を送り。
衛星は宇宙に出ると回転するので、スラスターを噴かして姿勢を整える。
数か月かけて、多くの機能の動作確認や不具合処理を終え、
軌道上での納品が完了する。
そこでようやく、私たちの仕事も終わります。
そして、衛星から送られてくる地球の姿を見たとき、
青く輝く地球が、
まるで生き物のように美しかった。
それは、宇宙エンジニアとして初めて知った、
リアルな宇宙の感動でした。
あの日、打ち上がったのは……
今回、そんな記憶を一つの曲にしました。
タイトルは、
「宇宙へ」
です。
この曲を書きながら、改めて思いました。
あの日、ロケットで宇宙へ向かったのは、
衛星だけだったのだろうか。
もちろん、宇宙へ行ったのは衛星です。
でも、私自身の中でも何かが変わりました。
それまで工場で衛星づくりに携わっていた自分が、
初めて打ち上げプロジェクトに挑み、
衛星とともに新しい世界へ踏み出した。
宇宙エンジニアとして、
自分の世界が大きく広がった瞬間だったのです。
だから、この曲の最後は、こんな言葉で締めくくりました。
「あの日
打ち上がったのは
衛星だけじゃない
俺の心も夢も
宇宙の世界へ
一緒に
飛び立ったんだ……」
「宇宙へ」は、誰にでもある
宇宙へ飛び立つのは、ロケットだけではありません。
子どもが将来の夢を見つけたとき。
若者が新しい仕事に挑戦するとき。
大人が、もう一度何かに挑戦するとき。
そこには、その人だけの「宇宙へ」があるのではないでしょうか。
最初は小さな一歩でも、
その一歩が、その人の世界を変えることがあります。
私にとっては、それが衛星の打ち上げでした。
そして、あの日から続いている宇宙への旅は、
今も終わっていません。
宇宙の話をすること。
子どもたちに宇宙の感動を伝えること。
そして、一人でも多くの人に、
「自分も何かに挑戦してみよう」
と思ってもらうこと。
それも、私にとっての「宇宙へ」なのだと思います。
ロケットが打ち上がる瞬間を、
皆さんはどんな気持ちで見ますか?
「すごい!」
「かっこいい!」
「宇宙へ行ってみたい!」
きっと、いろいろな思いがあるでしょう。
でも、そのロケットの先には、
たくさんのエンジニアや研究者、そして関係する人たちの夢があります。
私も、その一人でした。
衛星とともに、宇宙へ。
そして、
自分の心と夢も、宇宙の世界へ。
そんな気持ちを作詞しました
そんな私の一つの思い出を、曲「宇宙へ」に込めました。
宇宙へ
作詞:宮川 広
【Intro】
あの日のことを 今でも忘れない
初めて携わった ロケット打ち上げ
リフトオフから マックスQを越え 軌道投入の瞬間
管制室のみんなで
「バンザーイ!」と 何度も叫んだ
衛星と一緒に 俺も飛び立ったような
あのワクワクが止まらなかった
【Verse 1】
俺の仕事は 衛星の修理
打ち上げ前から 宇宙で働くその日まで
故障に挑む 宇宙エンジニア
小さな異常も 大きな危機も
仲間とともに ひとつずつ乗り越えた
【Chorus】
衛星のトラブル対応を 繰り返すうちに
宇宙を飛ぶ 衛星になった気分
初めて知った リアルな宇宙
宇宙から見た 青く輝く地球
まるで 生き物のように 美しかった
【Verse 2】
宇宙で始まる 衛星の仕事
太陽の翼を広げ 電気を送り
スラスターを噴かし 姿勢を整え
すべての確認が終わり
軌道上で 納品は完了
俺たちの仕事も 無事に終わった
【Final Chorus】
初めての打ち上げが 終わると
衛星も地球も そして宇宙も
微笑んでいるようだった
衛星のカメラは 俺の目
地球は青く どこまでも輝いていた
【Outro】
工場での 衛星づくりから離れ
初めて挑んだ 衛星打ち上げプロジェクト
無事に成し遂げた
この日から 宇宙エンジニアとして
衛星とともに 世界のステージへ 飛び立った
あの日
打ち上がったのは 衛星だけじゃない
俺の心も夢も 宇宙の世界へ
一緒に
飛び立ったんだ…
ご興味のある方は、
歌も楽しんでください。
曲「宇宙へ」は、こちらから


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