今も心に輝く星たち

 今も心に輝く星たち ~ニューカレドニア~

夢にまで見た「天国に一番近い島」


今から50年ほど前のことです。

当時、森村桂さんのベストセラー小説『天国に一番近い島』で知られていた、南太平洋のニューカレドニアを訪れる機会に恵まれました。

「天国に一番近い島」。

その言葉に、子どもの頃からどこか憧れを抱いていた私は、実際にその地を訪れることができることに、大きな期待を膨らませていました。

そして、ニューカレドニアの大地に立った瞬間から、感動の連続でした。

南太平洋に浮かぶ島々。

青く透き通った海。

白い砂浜。

そして、これまで写真や本でしか見たことのなかった風景が、目の前に広がっていました。

ヌーメアの街を走る

滞在中は、時間を見つけては本島のヌーメア周辺をランニングしたり、散歩したりしました。

海岸線を風を受けながら走ると、目の前には青い海。

日本とはまったく違う南の島の空気を感じながら、ただ走ることが楽しくて仕方ありませんでした。

そして、もう一つ強く印象に残ったことがあります。

それは、驚くほど治安が良かったことです。

当時のニューカレドニアは、私が想像していた以上に安全で安心できる場所でした。

街を歩いていても、盗難やスリなどをほとんど心配することがありません。

「なぜ、こんなに治安が良いのだろう?」

不思議に思って、現地の方に尋ねてみました。

すると、

子どもの頃から、悪いことをすると神様が見ていて、いつか罰を受けるという考え方があり、そうした教育が人々の中に浸透しているからだ、と教えていただきました。

なるほど……。

単に警察や法律によって守られているというだけではなく、人の心の中に「悪いことをしてはいけない」という意識が根付いている

そんな文化の一端を知ったことも、50年たった今でも忘れられない思い出です。

最近では、ニューカレドニアで暴動が起きたというニュースを耳にすることもあります。

そんなニュースを聞くと、私が訪れたあの頃のニューカレドニアを思い出します。

私の記憶の中にあるのは、穏やかで、安全で、安心して歩くことのできた素晴らしい南の島です。

イル・デ・パンの海

ニューカレドニアで特に心に残っている場所の一つが、イル・デ・パンです。

海の美しさは、本当に言葉では表しきれないほどでした。

白い砂浜。


どこまでも青く透き通った海。

そして、海の中を泳ぐ色鮮やかな魚たち。

原色の魚が泳いでいる姿が、岩の上からでも見えるほど海が澄んでいました。

「こんなの、初めて見た……」

そんな驚きと感動で、心がときめいたことを覚えています。

50年という長い年月が過ぎた今でも、その光景は私の記憶の中に鮮明に残っています。

初めて見た南十字星

そして、ニューカレドニアで私が最も心を奪われたもの。

それは、夜空でした。

日本では見ることのできない南の空。

その夜空に、南十字星が見えました。

生まれて初めて見る南十字星。

夢にまで見た星が、本当に自分の目の前にある。

その感動は、今でも忘れることができません。

南十字星だけではありません。

濃く輝く天の川。

日本で見る星空とは少し違う、南半球の星空。

あまりにも美しくて、時間を止めて見上げていました。

「これが、南十字星なんだ……」

そんな思いで、いつまでも夜空を眺めていたように思います。

50年たった今も

あれから、50年ほどの月日が流れました。

人生を振り返れば、本当に長い時間です。

仕事をし、宇宙に関わり、世界のいろいろな場所を訪れ、たくさんの人と出会いました。

けれども、不思議なことに、50年前のニューカレドニアの記憶は、今でも私の心の中に残っています。

白い砂浜。

青く透き通った海。


岩の間を泳いでいた色鮮やかな魚たち。

ヌーメアの海岸線を風を受けながら走ったこと。

そして、夜空に煌めいていた南十字星。

それらは、単なる「昔の旅行の思い出」ではありません。

私の心の中に、今も生き続けている大切な風景なのです。

特に、あの夜に見上げた南十字星は、50年たった今も、私の心の夜空で輝き続けています。

本物の星は、50年の間に何度も夜空を巡りました。

けれど、私の心の中では、あの日に見た南十字星が、今も変わらずそこにあります。

人生には、長い年月が過ぎても消えない風景があります。

ふと目を閉じると、あの日の海が見える。

あの日の砂浜が浮かぶ。

そして、あの日の夜空に輝いていた星が見える。

そんな思い出を持てることは、人生にとって、とても幸せなことなのかもしれません。

ニューカレドニアで見た南十字星。

白い砂浜。

色鮮やかな魚たち。

そして、南太平洋の美しい星空。

50年たった今も、私の心の夜空には、あの日の星たちが煌めいています。

(映像提供:ESO、Wikipedia)


この様な気持ちを曲「今も心に輝く星たち」~ニューカレドニア~にしました。

ご興味のある方は聴いて下さい!



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