職人魂を胸に!

 職人魂を胸に!

「職人魂」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。


木を削る大工さん。

伝統工芸の職人さん。
長年、一つの技を磨き続けている人。

私にとって「職人魂」は、単に職人という仕事をすることではありません。

自分の仕事に誇りを持ち、技を磨き、工夫し、最後まであきらめない。

そんな生き方そのものだと思っています。


サムライの時代から続く我が家

私の家は、サムライの時代から続く宮大工の家系です。

祖先は、神社やお寺などを造る宮大工として、木と向き合いながら仕事をしてきました。

木の性質を見極め、寸法を測り、道具を使い、長い年月に耐える建物を造る。

そこには、長い経験から身につけた技術と、職人としての誇りがあったのだと思います。

私自身は、その道を継ぎませんでした。

選んだのは、まったく違う世界――
宇宙エンジニアという仕事でした。

しかし、今振り返ってみると、仕事は違っていても、どこかに先祖から受け継いだものがあったように思います。

宇宙開発の仕事でも、技術を磨くこと、細かなところまでこだわること、問題が起きれば知恵を出して解決することが大切です。

木を相手にする宮大工と、宇宙を相手にするエンジニア。

一見するとまったく違う仕事ですが、
「より良いものをつくるために、自分の技と知恵を使う」

というところでは、通じるものがあるのかもしれません。


私は「職人魂のアイディアマン」

私は、自分のことを時々、

「職人魂のアイディアマン」

と表現します。

©NASA

宇宙エンジニアとして仕事をしていると、教科書に答えが書いてある問題ばかりではありません。

「どうすればできるだろう?」

「もっと良い方法はないだろうか?」

そう考えながら、仲間と知恵を出し合い、一つずつ問題を解決していきます。

技術だけでは足りない。

経験だけでも足りない。

そこにアイディアが必要になります。

だから私は、職人魂とは「昔ながらの技術を守ること」だけではないと思っています。

新しい時代なら、新しい技術を使えばいい。

新しい問題が出てきたら、新しい方法を考えればいい。

それでも、その根っこにある

「自分の仕事に誇りを持ち、より良いものをつくろうとする心」

は、昔も今も変わらないのではないでしょうか。


親の背中から受け継ぐもの

では、その職人魂は、次の世代にも受け継がれていくのでしょうか。

私は、必ずしも同じ仕事をする必要はないと思っています。

子どもが親と同じ職業に就くとは限りません。

実際、私の子どもたちも、それぞれ違った道を歩んでいます。

でも、

どんな道を選んでも、子どもは自然と親の背中を受け継ぐもの。

私はそんなふうに思っています。

親が仕事に向き合う姿。

苦しい時にどうするか。

人に対してどう接するか。

失敗した時にどう立ち上がるか。

そうしたものは、言葉で教えなくても、日々の生活の中で自然に伝わっていくものです。

そして子どもたちも、自分自身の道を歩きながら、それぞれの技を身につけていく。

それでいいのだと思います。


いつか、どこかで

私には、ちょっとした楽しみがあります。

遠い未来のどこかで、私の孫やひ孫、その先の世代の中から、

「ものをつくるのが大好きだ」

「技術を極めたい」

「誰も考えたことのないアイディアを実現したい」

そんな人が現れたら面白いな、と思うのです。

もしかすると、宮大工になるかもしれません。

エンジニアになるかもしれません。

あるいは、まったく違う仕事に就くかもしれません。

それは分かりません。

でも、どんな道であっても、自分の技を磨き、自分のアイディアを大切にし、自分の夢を追いかけてほしい。

そして、いつかその子と、

「昔から我が家には、こんな職人がいたんだよ」

「私は宇宙の仕事をしていたんだ」

「君は今、どんな夢を持っているんだい?」

そんな話をしてみたいものです。


職人魂を胸に

時代は変わります。

木を削る道具も変わります。

コンピューターが生まれ、AIが生まれ、ロボットが活躍し、人類は宇宙へ進んでいきます。

それでも、人が何かに夢中になり、自分の技を磨き、知恵を絞り、より良いものを生み出そうとする気持ちは変わらないでしょう。

サムライの時代から続く我が家の先祖。

宮大工として生きた人たち。

そして、その後を歩いてきた私。

さらに、その先を歩いていく子どもたちや、その次の世代。

職業は変わっても、時代が変わっても、

「自分の道を、自分の技とアイディアで切り拓いていく」

そんな心だけは、未来へつながっていってほしいと思います。

そして私自身も、これからまだまだ自分の技を磨き、アイディアを出し続けたい。

職人魂を胸に。

これからも、自分の夢を追いかけていきたいと思います。


こんな気持ちを「職人魂を胸に!」と言う曲にしてみました。

興味のある方は聴いて下さい!



コメント

このブログの人気の投稿

H3ロケット8号機 打ち上げ失敗の新事実

人生を全力で駆け抜けるための「リフレッシュ術」と「視野を広げる努力」

H3ロケットの打ち上げ時のトラブル内容を特定、3月6日を延期し7日に打ち上げ目指す!