エンジニアの思い出から生まれた、もう一つの宇宙への旅
消えかけた夢に、もう一度命が吹き込まれた
――エンジニアの思い出から生まれた、もう一つの宇宙への旅――
私は、エンジニア時代から、心に残った出来事や人との出会い、楽しかったこと、感動したことなどを、時々メモや詩にして残してきました。
その時は、まさかそれらが、いつの日か「歌」になるとは思っていませんでした。
ただ、忘れたくない。
そんな思いで、ノートやパソコンに書き留めていたのです。
「この詩、曲になったら面白いな」
そんな気持ちが少しずつ芽生えてきたのは、科学館のサークルに入り、プラネタリウム番組の制作に関わるようになったことがきっかけでした。
星空を映し出し、宇宙の物語をつくる。
セリフを考え、声を入れ、仲間と合唱の練習をする。
そして、合宿をしたり、食事をしたり、時にはパーティーを開いたり……。
音楽のことを語り合いながら、仲間との距離もどんどん近くなっていきました。
そんな時間が、とても楽しかった。
そして、いつしか私の中に、
「自分が書いた詩も、いつか曲にしてみたい」
という思いが生まれてきたのです。
仲間からもらった、忘れられない歌
さらに、私の気持ちを大きく動かしてくれた出来事がありました。
仲間たちが、私の誕生日のために歌をつくってくれたり、応援歌をつくってくれたりしたのです。
自分のために歌をつくってもらう。
これは、何とも言えないほど嬉しいものでした。
そして、もう一つ忘れられない出来事があります。
県外から私の宇宙講演会を聞きに来てくださったミュージシャンの方がいました。
その方から、なんと私が出演していたテレビ番組の主題歌や挿入歌をプレゼントしていただいたのです。
「こんなことがあるんだ……」
驚きと感動でいっぱいになりました。
こうした一つ一つの出会いが、私の中にあった「音楽をつくってみたい」という気持ちに、さらに大きな力を与えてくれました。
宇宙を語ると、また詩が生まれた
その後、宇宙講演会やテレビ、ラジオなどで、子どもたちや多くの皆さんに宇宙の話を届けるようになりました。
すると、不思議なことが起こりました。
宇宙の話をしていると、新しい言葉が次々と浮かんでくるのです。
星を見上げた時の感動。
宇宙飛行士への憧れ。
エンジニアとして宇宙開発に関わった時の思い出。
子どもたちのキラキラした目。
人生の中で出会った人たち。
そんな一つ一つが、また詩になっていきました。
気がつけば、私の手元には、たくさんの詩やメモが残っていました。
そして夢は、さらに大きくなっていきました。
「この詩なら、こんな曲が似合うんじゃないか」
「ここは静かに始まって、最後に大きく広がる曲にしたい」
「この歌は子どもたちと一緒に歌えたら面白い」
そんなことを考えるのが、だんだん楽しくなってきたのです。
食事をしながら、音楽を語りたい
当時の私は、作曲家でもミュージシャンでもありません。
だからこそ、
「こんなイメージの曲をつくってほしい」
という私の思いを、ミュージシャンの皆さんに直接伝えてみたいと思っていました。
食事をしながらでもいい。
お酒を飲みながらでもいい。
宇宙の話をしながら、
「ここは星空が広がる感じで……」
「ここは宇宙船が飛び立つように……」
「ここは子どもたちが一緒に歌えるように……」
そんなふうに、音楽のイメージを語り合ってみたい。
そして、
「じゃあ、この詩を曲にしてみよう!」
となったら、どんなに楽しいだろう。
私の夢は、そんなところまで膨らんでいきました。
ところが、時間は静かに流れていった
しかし、人生はなかなか思い通りにはいきません。
仕事やさまざまな出来事に追われるうちに、年月が過ぎていきました。
「いつか曲をつくってもらいたい」
そう思っていたミュージシャンの皆さんとも、少しずつ距離ができていきました。
そして、数十年。
気がつけば、あれほど楽しみにしていた「曲づくり」の夢は、私の中でも少しずつ小さくなっていました。
ノートの中には、たくさんの詩やメモが残っています。
しかし、それらが歌になることはありませんでした。
消えてしまうはずだった夢
「仕方がないな……」
私は、そう思うようになりました。
こればかりは、自分一人ではどうすることもできない。
そうして、さらに数年が過ぎました。
もしかしたら、このまま私の詩やメモは、誰にも知られないまま終わってしまうのかもしれない。
せっかく精魂込めて書いた言葉たちも、いつか私と一緒に静かに消えていくのだろう。
そう思っていました。
ところが――
人生には、思いもしないところから扉が開くことがあります。
そして、AI時代がやってきた
AIが急速に進歩し始めた時、私は思いました。
「もしかしたら……」
これまで、曲をつくるためには、作曲家やミュージシャンの力が必要でした。
しかし、新しい時代には、AIという新しい道具があります。
自分の詩を入力してみる。
曲のイメージを伝えてみる。
「宇宙に飛び立つような壮大な曲にしたい」
「子どもたちも一緒に歌える曲にしたい」
「静かな星空から始まって、最後は銀河へ広がっていくようにしたい」
そんな頭の中にあるイメージを、AIに伝えてみる。
そして、何度も聴いて、また修正する。
それを繰り返しながら、自分の世界に近づけていく。
すると――
少しずつ、自分が思い描いていた
宇宙の世界の音楽が生まれてきました。
もちろん、AIではなく、作曲家やミュージシャンにお願いしたとしても、同じように、自分のイメージに近づけるために、何度も話し合い、調整していくことになるでしょう。
AIだから、すぐに自分の思い通りの曲ができるわけではありません。
自分の言葉とイメージを伝え、聴いて、考えて、また手を加える。
その繰り返しの中で、眠っていた夢が、少しずつ希望通りの音楽になっていったのです。
「夢は、消えていなかった!」
その瞬間、私は本当に嬉しくなりました。
何十年も前に書いた詩。
エンジニア時代の思い出。
宇宙との出会い。
講演会で子どもたちからもらった笑顔。
テレビやラジオで宇宙を語った思い出。
仲間からもらった歌。
そして、いつか曲にしたいと思いながら、しまい込んでいた言葉たち。
それらが、再び音楽として動き始めたのです。
まるで、長い眠りについていた夢が、
「まだ終わっていないよ」
と、私に語りかけてくれたようでした。
私は、思わず笑ってしまいました。
「これは面白いぞ!」
私はプロの音楽家ではありません
もちろん、私はプロの音楽家を目指しているわけではありません。
私がやりたいことは、もっとシンプルです。
大好きな宇宙の魅力を、できるだけ分かりやすく、楽しく、多くの人に伝えたい。
特に、これからの未来をつくっていく子どもたちに、
「宇宙って、不思議だね!」
「もっと知りたい!」
「いつか宇宙に行ってみたい!」
そんな気持ちを持ってもらいたい。
そのために、講演会があり、テレビがあり、ラジオがあり、ブログがあります。
そして今、そこにもう一つ、
「音楽」
が加わりました。
宇宙の話を、歌に乗せて
宇宙の話をする。
写真を見てもらう。
映像を見てもらう。
そして、今度は歌を聴いてもらう。
科学の話だけでは伝えきれない「宇宙への憧れ」や「感動」を、音楽なら届けられるかもしれません。
一枚の写真が心に残るように。
一つの言葉が人生を変えることがあるように。
一曲の歌が、誰かの心に残ることだってある。
私は、そんな可能性を楽しんでいます。
何十年も前の「小さな夢」が、今、大きな宇宙へ
考えてみれば、面白いものです。
エンジニア時代に書いた、ほんの小さなメモ。
心に残った出来事を綴った短い詩。
「いつか曲になったらいいな」と思った、ささやかな夢。
それが数十年の時を越えて、今、音楽になろうとしています。
夢というものは、不思議ですね。
一度消えたように見えても、本当に消えてしまったわけではないのかもしれません。
心のどこかで、ずっと眠っている。
そして、思いもよらない時代や出来事が、その夢をもう一度目覚めさせてくれることがある。
私にとって、それがAIとの出会いでした。
まだまだ、これからです
今、私は昔のノートやメモを取り出しては、
「これは曲になるかな?」
「この詩には、どんな音楽が似合うだろう?」
と、ワクワクしながら考えています。
宇宙の歌。
人生の歌。
エンジニアとして歩いてきた道の歌。
ふるさとの歌。
人との出会いを歌ったもの。
そして、これから生まれる新しい物語。
まだ、私の中にはたくさんの「眠っている言葉」があります。
それらを一つずつ起こしてあげたい。
そして、歌になった言葉たちを、宇宙講演会やテレビ、ラジオ、ブログなどを通して、皆さんと一緒に楽しんでいきたいと思っています。
夢は、終わったと思ったところから始まる。
数十年前には、曲になることなく消えてしまうと思っていた私の詩やメモ。
それが今、AIという新しい時代の力を借りて、もう一度、空へ飛び立とうとしています。
まるでロケットの打ち上げのようです。
長い間、静かに眠っていた夢に、再び火が灯った。
さあ、次はどんな歌が宇宙へ飛び立つのでしょうか。
私自身も、まだ分かりません。
これまで講演会やテレビ、ラジオなどを通して語ってきた宇宙の世界。
そして、私自身が歩んできた人生の物語。
そんな一つひとつも、これから曲にしていきたいと思っています。
そして、ユーチューブやテレビ、ラジオ、講演会、ブログなどを通して、これまで伝えてきた宇宙の物語に、もう一つの彩りを加えることができればと思っています。
最近では、講演会やテレビ・ラジオなどでも、私の宇宙の曲を楽しんでいただく機会が増えてきました。
そんな中で、不思議なことが起こりました。
講演会の受講者の方から、
「どの曲も大変気に入りました。CDを購入したいのですが?」
と言われたのです。
最初は冗談かと思い、笑っていました。
ところが……冗談ではありませんでした。
その後も、いろいろな機会に同じような言葉をいただくようになりました。
それは、私にとって思いがけない喜びであり、そして新しい曲をつくる大きなパワーになっています。
宇宙のことを語ること。
音楽をつくること。
そして、それを皆さんと一緒に楽しむこと。
そんな時間を大切にしながら、これからの人生も、もっともっと楽しくしていきたいと思っています。
だからこそ――
ワクワクするのです。
不思議だね、宇宙って!
そして、
夢って、本当に面白いですね。
(写真提供:NASA)
追伸
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