サンペドロ・デ・アタカマ

 砂漠のオアシス・サンペドロ・デ・アタカマ

南米チリの北部に、アタカマ砂漠があります。

世界でも有数の乾燥した場所として知られるアタカマ砂漠には、世界中から天文学者や宇宙関係者、そして多くの観光客がやって来ます。

その砂漠の中に、ひとつの小さな町があります。

「サンペドロ・デ・アタカマ」。

地元の人たちは、親しみを込めて「サンペドロ」と呼んでいます。



毎週通った小さな町

以前、アタカマ砂漠で望遠鏡づくりに関わっていた頃、私は毎週のようにこのサンペドロを通っていました。

人口は二千人ほど。

そんな小さな町なのに、世界中から観光客がやって来ます。

考えてみれば、ちょっと不思議なことです。

日本から見れば、はるか遠くの南米。

しかも、その先にあるのは広大な砂漠です。

それでも人々は、この小さな町を目指してやって来る。

「いったい何があるんだろう?」

そんなことを考えながら、何度もこの町を訪れました。



昔の時間が残っている

サンペドロの町を歩くと、都会とはまったく違った風景が目に入ります。

日干しレンガの壁。

わらぶき屋根。

土壁の建物。

新しく整えられた大都会とは違い、昔から続いてきたような風景が、町の中に残っています。

砂漠の強い太陽の下で見るその風景は、どこか不思議です。

まるで、時間が少しゆっくり流れているように感じます。

そして夜になると、昼間のにぎわいが嘘のように静かになります。

空を見上げれば、そこにはアタカマ砂漠の星空。

私にとっては、仕事で何度も見上げた特別な星空でもありました。


小さなレストランで

サンペドロに何度か泊まったことがあります。

仕事仲間との懇親会を開いたのも、町にある小さなレストランでした。

昼間は観光客でにぎわっている町も、夜になると静かになります。

そんな中で、仲間たちと食事をしながら仕事の話をしたり、これからのことを話したりする。

今振り返ると、そんな何気ない時間も、とても大切な思い出になっています。

サンペドロには、遺跡もたくさんあります。

古くからこの土地で暮らしてきた人々の歴史があり、昔からの習慣や住まいも残されています。

アタカマ砂漠を旅する人にとっては、この町が大切な拠点にもなっています。


ドンキーやアルパカも

町を歩いていると、ドンキーやアルパカが、のんびり草を食べている姿を見ることもあります。

広大な砂漠の中にある小さな町。

そこでは、人々の暮らしと動物たちの姿が、自然な形で共存しています。

その風景を見ていると、なぜか心があたたかくなります。

便利なものが何でもそろっている都会とは違う。

でも、そこにはそこにしかない時間があります。

人々が昔から大切にしてきたものを守りながら、自然とともに暮らしている。

そんな姿が、サンペドロにはありました。


サンペドロの魅力って、何だろう?

世界中から観光客が集まるサンペドロ。

なぜ、こんなに遠い砂漠の小さな町に、人が集まるのでしょうか。

もちろん、アタカマ砂漠の大自然や星空、遺跡など、いろいろな魅力があります。

でも、何度もこの町を訪れた私が感じた魅力は、もっと素朴なところにあるような気がします。


古い建物。

昔から続く暮らし。

ゆっくり流れる時間。

そして、そこに暮らす人々の姿。

華やかさとは少し違う。

でも、なぜか心に残る。

そんな町でした。


「サンペドロ」の歌を作りました

そんな思い出を、今回は一曲の歌にしてみました。

タイトルは、そのまま

「サンペドロ」

です。

アタカマ砂漠で望遠鏡づくりをしていた頃の思い出をたどりながら、仕事の話だけではなく、何度も通ったサンペドロの町、人々の暮らし、そして砂漠の中に残る昔の時間を歌にしました。

アタカマ砂漠の壮大な星空とは、また少し違う物語です。

小さな町の風景を思い浮かべながら、ぜひ聴いてみてください。

そして最後に出てくる、サンペドロの魅力。

私なら、こう言うでしょう。

「素朴さ!っさ」

新曲「サンペドロ」お聴きください!



コメント

  1. 宮川広先生、「サンペドロ」の曲、とても良いですね。アタカマ砂漠を取り囲む先生の歌、「宇宙に会える場所」「アタカマ砂漠」、そして「サンペドロ」、全て大好きです。「宇宙に会える場所」を初めて聴いた時、何だか感動のあまり涙が出てきそうでした。そして「アタカマ砂漠」の曲と詩には夜空の南十字星やマゼラン大・小星雲、さらに輝く星雲イータ・カリーナ、何と知らない魅力的な景色があるのだろうか、と心がドキドキと鼓動が鳴り出し・脈打ちました。そして今回の「サンペドロ」の曲は、流れてくる軽快なリズムには、もはや心は一気に「サンペドロ」の町に飛んでいきそうなほど誘惑されてしまいました。松尾芭蕉が旅への抑えきれない衝動をこう表しています。『そぞろ神の物につきて心を狂わせ、道祖神のまねきにあひて取るもの手につかず』。私もまた「サンペドロ」を聴き、サンペドロはどんな場所なんだろう、世界中から観光客が集まってくるという人口2千人足らずの小さな町、どんな魅力があるのだろうか?きっと凄い魅力的な何かがあるに違いない、など色々と想像し、サンペドロへの旅にそぞろ誘われてしまいそうな気分になりました。サンペドロの魅力は、優雅な神秘的な夜の満点の星空だけではなく、古い建物、昔から続いているような暮らしや風景が残っていること、そしてそこに住む人の素朴な暮らしなのですね。そしてそのような風景や人々の暮らしから時間がゆっくりと流れている感覚が生まれてくることかなんですね。その感覚とは、焦らないでよい、急がなくてよい、小さなことでくよくよしなくてよい、といった人間らしさを取り戻す安堵感が生まれてくるような気がします。そんな時間がゆったりと流れてくるような小さな町・サンペドロについ誘われて飛んでいってしまいたい気分になりました。今回も素敵な歌と曲それにストリーをありがとうございました。

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    1. おはようございます!コメントをありがとうございます。
      「宇宙に会える場所」「アタカマ砂漠」、そして今回の「サンペドロ」まで、アタカマ砂漠をめぐる私の歌を大好きと言っていただき、本当に嬉しいです。
      特に「サンペドロ」を聴いて、軽快なリズムとともに、町へ一気に飛んでいきそうな気分になったというお言葉には、思わず嬉しくなりました。
      松尾芭蕉の「そぞろ神」や「道祖神」のお話も、とても面白く拝見しました。まさに旅には、理屈では説明できない「誘われる力」がありますね。
      私がサンペドロで感じたのも、まさにそんなものでした。
      満天の星空だけではなく、古い建物や昔から続く暮らし、そして人々の素朴な姿。その中に、都会とは違うゆっくりとした時間が流れていました。
      「焦らなくてよい、急がなくてよい、小さなことでくよくよしなくてよい」という受け止め方には、私自身も「ああ、そういうことなのか」と気づかされました。
      何度も通ったサンペドロの町の思い出が、歌を聴いてくださった方の心の中で、こんなにも大きな旅になっていくことが、とても嬉しいです。
      こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました。

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